CES 2024が開催され、Windowsに関わる多くの発表が行われた。Microsoftも特設サイトを用意して、一般ユーザー向けの市場を盛り上げようとしている。Intelは第14世代Intel Core HXシリーズのIntel Core i9-14900HXを発表し、AMDは発表済みのAMD Ryzen 8000シリーズを前面に押し出した。AI処理を支援するNPU(ニューラルプロセッシングユニット)に対応して、エッジ側のAI処理を加速しようとしているのだろう。
そうした最新プロセッサーに対応するPCも、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovoとメジャーなメーカーが並んでいる。ただ気になる数字もあり、IDCが2024年1月に発表した調査結果では、2023年第4四半期のグローバルPC出荷台数は前年同期比で2.7%減少と芳(かんば)しくない。それでもIDCは「2024年のPC市場は好調。市場の盛り上がりをゲーミングPCが後押しを続けている」と述べた。
2025年はWindows 10のサポート終了日を控えており、消費者のPC買い換え時期としては2024~2025年が適しているだろう。さらに前述したNPUも相まって、個人的には数年ぶりのベストタイミングと判断している。筆者はSurface Pro 10(仮称)もしくはSurface Laptop 6(仮称)に期待しているため、2024年の秋ごろまで待つつもりだ。
一方で2024年のWindows 11アップデートについて、Microsoftは2024年秋冬のリリースを予定している。機能的なタイムラグを1つ挙げると、最新PCの一部はWi-Fi 7(802.11be)をサポートしているが、現在のWindows 11はWi-Fi 7を未サポート。Windows 11 バージョン24H2(仮称)の新機能として用意しつつ、Windows 11 バージョン23H2にバックポートする可能性も考えられる。
とはいえ現在はAIに注力しているMicrosoftの判断を見通すのは難しい。筆者自身は目にしていないものの、メモ帳やエクスプローラーがAI機能をサポートするとのウワサもあり、Copilot in Windowsのみならず、あらゆる場面でAI活用を推し進めるようだ。一部からは2024年前期に年次アップデートをリリースするとの話も聞こえてくるが、Microsoftが当初のロードマップを変更するとは考えにくい。これから半年程度はWindows 11 バージョン23H2をベースに機能拡張すると思われる。
読者の中にもWindows 11への移行タイミングをはかりかね、Windows 10や以前のWindowsを使っているユーザーもいるだろう。筆者もメインのデスクトップPCはWindows 8.x時代に組み上げた自作PCだが、さすがに厳しさを感じるようになった。眼力の低下で自作PCを組み上げることが難しくなり、PCの利用目的も原稿執筆とPCゲームに落ち着いてきたので、ハイエンドのGPUやストレージ容量をあきらめてミニPCを購入しようか悩んでいる。それを判断するのもNPUが普及してから。2024年の一般ユーザー向けPC市場は楽しみである。