『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット ゼロの秘宝(以下、ゼロの秘宝)』は、Nintendo Switchソフト『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(以下、ポケモン S・V)』の有料追加コンテンツだ。2つの物語を収録しており、2023年9月13日に配信された「前編・碧の仮面」から続く「後編・藍の円盤」が2023年12月14日に配信される。
『ポケモン S・V』は、「パルデア地方」最古の学校「オレンジアカデミー/グレープアカデミー(以下、アカデミー)」に入学した主人公が、課外授業のテーマである自分だけの「宝探し」の旅へ出るストーリー。ポケモンジムをめぐってチャンピオンランクを目指したり、学友ペパーの相棒マフィティフを元気にすべく秘伝スパイスを集めたり、やんちゃな生徒たちが結成した「スター団」に立ち向かったりと、自由に冒険を楽しめる。
『ゼロの秘宝』の「前編・碧の仮面」で主人公は、「パルデア地方」から離れた「キタカミの里」で行われる「林間学校」に参加。オリエンテーリングの課題として、キタカミの里にある3つの看板を探し、里に伝わる歴史を紐解いた。そこで出会ったのが、同じく林間学校に参加していた「ブルーベリー学園」に通う姉弟「ゼイユ」と「スグリ」だ。
そして、「後編・藍の円盤」では、ゼイユとスグリの通うブルーベリー学園へ交換留学を行う。今回、そんな「後編・藍の円盤」を先行プレイ。ブルーベリー学園の海中庭園「テラリウムドーム」や、ブルベリーグ四天王の「四天王チャレンジ」などを体験できたので、その様子を紹介する。
さまざまなポケモンが生息する「テラリウムドーム」を散策!
ブルーベリー学園の目玉は、なんといっても海中庭園「テラリウムドーム」だ。広大な円形のこの施設は「サバンナエリア」「キャニオンエリア」「ポーラエリア」「コーストエリア」と名付けられた4つのエリアに分かれており、それぞれ人工的に異なる環境を再現。エリアごとにさまざまなポケモンが生息している。
まずサバンナエリアを見渡してみると、ドードー、タマタマ、サイホーンといった『ポケットモンスター 赤・緑』のサファリゾーンを彷彿とさせるポケモンたちが目に入ってきた。もちろん、『ポケットモンスター 赤・緑』のサファリゾーンと違って、ポケモンは制限なく自由に捕まえられるし、どれだけいても問題ない。それに、リキキリンなどパルデア地方に生息していたポケモンとも出会えた。
また、一面に広がる草原の先には、高くそびえる山々や四角いオブジェで作られた屋外教室などが見える。いたるところでテラレイドバトルの結晶も確認できた。
さらにほかのエリアを探索すると、首の長いナッシーや凛々しい眉毛(?)のイシツブテ、白いロコンなど、「アローラのすがた」のポケモンを発見。人工的に自然環境を再現しているため、これまで特定の地方のみで出会えたポケモンでも生息できるのだろう。
テラリウムドームで特筆すべきは、やはり歴代タイトルのすべての最初のパートナーポケモン(ユーザーの間で「御三家」と呼ばれるポケモンたち)が野生で登場することだろう。ゲームを進めていくと出現するようになるこの御三家たち。過去作を一緒に旅した相棒と出会えるとあって、捕獲にも熱が入りそうだ。
今回の試遊では、ヒトカゲが5匹ほどの群れで生息している様子を確認できた。何匹もの野生のヒトカゲが自由に動いている様子は新鮮で、見ているだけでも楽しい。ただ、残念ながら、30分近くテラリウムドームを散策した程度では、あまり多くの御三家を発見できなかった。多様なポケモンが生息していることもあって、ピンポイントで見つけるのは苦労するかもしれない。
そのほか、テラリウムドームには、ブルーベリー学園のトレーナーがあちこちにいるほか、「電気石の岩窟」と呼ばれる洞窟もあって、隅々まで探索していたらけっこう時間がかかりそうだった。
なお、ブルーベリー学園では、テラリウムドームだけでなく、『ポケモン S・V』のアカデミーと同様に、教室や購買部、学生食堂などに足を運ぶことができる。品ぞろえが豊富な購買部はわざマシンを探すのにうってつけだし、メニューが豪華な学生食堂には全タイプの食事パワーがつく定食もあった。
教室は、歴史を感じる造りのアカデミーと比べて、近未来的なスタイリッシュデザイン。普段とは違った雰囲気なので、“留学感”を味わえるのではないだろうか。
四天王ネリネに挑戦。ひこうライドを使いこなせ!
ブルーベリー学園は、ポケモンバトルの教育に力を入れている新設校でもある。当然、ポケモンバトルが盛んだ。そこで主人公は、強さをランク付けする制度「ブルベリーグ」でトップレベルに強い「ブルベリーグ四天王」と呼ばれるトレーナーに挑むことになる。試遊では、テラリウムドームをぐるりと回ったあとで、四天王ネリネに挑戦してみた。
四天王と戦うには、まずそれぞれの「四天王チャレンジ」をクリアしなければならない。ネリネのチャレンジは、ライドポケモンに乗ってゴールを目指す「そらとぶタイムアタック」。ずっと飛んでいられる「ひこう」状態の伝説のポケモン「コライドン」もしくは「ミライドン」に乗って、コイルたちの作る輪をくぐり、残りタイムを上乗せしながら、時間内にゴールできればクリアだ。コースは短めで、スピードもかなりゆっくりめなので、大きな操作ミスをしなければ難しくはないだろう。
だが、筆者は大きなミスをしてしまったため、初見クリア失敗。コースから外れてしまったあとに軌道修正しようと試みるも、元のルートにうまく戻ることができずに、そのままタイムアップを迎えてしまった。アギャス。
このライド技「ひこう」は、冒険を進めていくことで力が解放され、四天王チャレンジ以外でも使えるようになる。もちろん、パルデア地方でもその力は活かせるだろう。自由にパルデアの空を飛べるのが楽しみでならない。
リーグ部やシンクロマシンなど、お楽しみ要素も盛りだくさん
さらに、お楽しみ要素として、ブルベリーグに参加しているトレーナーたちがポケモンバトルを鍛え合う部活「リーグ部」にも注目したい。「リーグ部」には部室があり、部室の模様替えなどを楽しめる。
また、パルデア地方で出会ったトレーナーを特別講師として部室に招待可能。一緒に写真撮影したり、ポケモンバトルしたりできるほか、バトルに勝利したり、会話を重ねたりすることで、ポケモン交換もできるという。
個人的におもしろかったのが、部室で野球部から「ボールの投げ方」を教えてもらえること。部室にあるパソコンでは、学園で使われている通貨「ブルーベリーポイント(BP)」をほかの部活へ寄付できるようになっており、野球部に支援すると、バトル時のモンスターボールの投げ方を自由に変更できるのだ。
投球フォームは「ひだりなスタイル」「いのりなスタイル」「キュートなスタイル」「かれいなスタイル」「くるっとスタイル」などさまざま。髪型や服装と同様に、気分に合わせてスタイルを変えれば、ポケモンバトルをより一層楽しめるのではないだろうか。
BPは、「ブルーベリー・スペシャル・レクリエーション」略して「ブルレク」という課外活動において、学園から課される「ミッション」をクリアして手に入れる。ミッション内容は「おまかせバトルで10匹倒す」「ポケモンを1匹捕まえる」などだ。テラリウムドームを散策しながら、ゆるく「泳いでいる野生のポケモンを撮影する」などのミッションに挑戦するのもいいだろう。
ブルレクは、マルチプレイでも楽しめるようになっており、テラリウムドーム内にあるブロックに変身して隠れているメタモンブロックをみんなで探し出すといった「サークルミッション」も用意されている。友だちとのメタモンブロック探しも楽しそうだ。
さらに、「後編・藍の円盤」のエンディング後には、学園にいる「おやつおやじ」から、ブルレクをがんばったご褒美として、これまでのシリーズに登場した一部の「伝説のポケモン」と出会える「おやつ」をもらえるようになる。試遊会では、宣伝担当者が、「レックウザのおやつ」をもらってから実際にパルデア地方へ会いに行くところを紹介してくれた。
「おやつおやじ」は、おやつを渡すと同時に、昔の武勇伝やウンチクを語り始めるのだが、これが伝説のポケモンのいる場所のヒントになっている。このヒントを元に、レックウザ探しに出発。すると、これまた見つけにくそうな場所にレックウザが出現していた。そして、「きりゅりりゅりしぃぃ!」という鳴き声とともにバトルに突入。マスターボールを使って即ゲットした。
ポケモンとシンクロしながら、フィールドを移動したり、野生のポケモンとバトルしたりできる新機能「シンクロマシン」も新鮮でおもしろかった。テラリウムドーム内のみ使える限定機能で、簡単に言うならば「レッツゴー」のマニュアル版。レッツゴーは、一緒に歩いているポケモンを主人公の見ているほうへ向かわせ、近くにいる野生のポケモンと自動でバトルしてもらう機能だが、「シンクロ」はプレイヤーが直接ポケモンを操作する。
実際にブリジュラスで試してみたら、ドコドコ歩く姿がとってもキュート。そのまま野生のポケモンに近づけば、レッツゴーのように攻撃してくれるし、倒せば、経験値を獲得できる。「なかなか思い通りの方向にレッツゴーできない」ときにも使えそうだ。
ただし、移動スピードはかなり遅め。効率を優先するならば、シンクロせずにレッツゴーしたほうがいいかもしれない。また、飛んでいるポケモンでもライドの「ひこう」のような動きはできないうえ、シンクロしたポケモンでどんなにフィールドを進んでも、シンクロをやめたら元のプレイヤーの位置に戻ってしまうので、移動の代わりには使えないだろう。
とはいえ、「ポケモンを自由に動かせる」だけで、かなりテンションが上がるから不思議だ。いろいろなポケモンとシンクロしてみたくなる。しかも、マルチプレイでも遊べる機能なので、友だちのポケモンとワイワイ楽しめること間違いなしだ。
今回プレイできたのは、主にブルーベリー学園で楽しめる要素のみ。そのため、新たに発見されたパラドックスポケモン「タケルライコ」「テツノカシラ」、伝説のポケモン「テラパゴス」や19種類目の「テラスタイプ」の新情報、ゼイユ、スグリに関するエピソードについてはわからないままだった。そのあたりは「実際にプレイしてみてのお楽しみ」といったところだろう。
なお、12月7日に公開された「Final Trailer」では、前編と髪型や目つきなど、雰囲気が大きく異なるスグリの姿や、それを心配そうに見つめるゼイユの姿があった。はたして、鬼のような表情をするスグリは、元の優しい男の子に戻ってくれるのだろうか。物語の行方が気になって仕方がない。
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