ヤマハは、2023年12月21日、東京都港区のサントリーホール ブルーローズにて、自動伴奏追従機能付きのピアノ「だれでもピアノ」を使ったコンサート「だれでも第九」を開催すると発表した。本公演は抽選で130名の招待制となっているが、YouTubeによる配信も行われる。
「だれでも第九」は、指一本から弾ける自動伴奏追従機能付きのピアノ「だれでもピアノ」を使って、障害のある3名のピアニストと、オーケストラと合唱団がベートーヴェンの「第九」を共演するコンサート。ハンデや経験、年齢に関係なく「第九」を演奏したいという気持ちがあるピアニストの夢の実現をサポートし、音楽に向き合う勇気と喜びを世界中の人々に届けるという。
「だれでもピアノ」は、ショパンのピアノ曲『ノクターン』を弾きたいと願う手足の不自由な高校生のために、2015年にヤマハの研究開発統括部と東京藝術大学COI拠点インクルーシブアーツ研究グループ(新井鷗子特任教授)により共同で改良・開発した楽器で、ヤマハの自動演奏機能付きピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」を使った演奏追従システムとペダル駆動装置から成る。一本の指でメロディー(右手パート)を弾くと、そのメロディーのタイミングや速度に合わせて伴奏(左手パート)とペダルが自動で追従するので、ハンデや経験、年齢に関係なく、誰でも、奏者のイメージする演奏を楽しめる。オリジナル編曲の伴奏による楽曲も内蔵し、インクルージョンの意味も込めて新井鷗子特任教授により「だれでもピアノ」と名付けられ、2020年に同演奏システムは特許を取得(特許6744522)している。当初は、一人の障害者のために開発されたシステムだったが、今ではピアノを弾いてみたいと思う初心者など、障害の有無に関わらず誰もが楽しめるシステムとなっている。
このコンサートの実現に向け、ヤマハでは、既存の「だれでもピアノ」の技術に加えて「超・低遅延発音」をはじめとした技術を開発中であるとのことだ。さらに、3名のピアニストそれぞれがオーケストラ・合唱の中で輝き、等しくベストを尽くせるよう、ピアニストそれぞれの弾き方や動きの特徴を踏まえた技術も追加しているそうだ。
コンサートは抽選で130名の招待制となっているが、YouTubeによる配信も行われる(生配信とアーカイブ配信を予定)。公演の概要は以下の通り。
- 日時:2023年12月21日 16:00開場 16:30開演(18:00終演予定)
- 会場:サントリーホール ブルーローズ(東京都港区赤坂1-13-1)
- 出演:だれでもピアニスト:東野寛子・古川結莉奈・宇佐美希和
- 音楽プロデュース・編曲:高橋幸代
- 指揮:米田覚士
- 演奏:横浜シンフォニエッタ
- 合唱:東京混声合唱団
- 演奏曲:ベートーヴェン「交響曲 第9番 ニ短調(合唱付き)」
《ピアノ》東野寛子(第1・2楽章)・古川結莉奈(第3楽章)・宇佐美希和(第4楽章) - 使用ピアノ:ヤマハ Disklavier ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)「S6X-ENPRO」
- 主催:ヤマハ
- 鑑賞:
1)会場での観覧 130名(無料・抽選)
2)公式YouTube生配信の視聴(無料)
3)公式YouTubeアーカイブ(ダイジェスト)配信の視聴(無料)
会場での観覧申し込みは特設サイトにて、2023年11月20日の23:59まで受け付けている。抽選結果発表は2023年12月上旬で、当選者にはメールで案内が届く。なお、YouTube配信については、後日、特設サイトでURLが掲載される。