ダイソンの新しい空気清浄機は、広めのリビングに加えて、ホテルやオフィスなどの業務利用も含めて、広い空間での使用を想定したモデルです。最大100平方メートルのスペースで空気を清浄できるように、本体の形状を刷新。10メートル先までキレイな空気を届ける力強さと、静かな運転音を両立しています。

  • これまでダイソンがリリースしてきた空気清浄機とはデザインがだいぶ変わりました

2つの気流を合流させて遠くまで風を送る

新モデルは、「Dyson Purifier Big+Quiet(ダイソン ピュリファイアー ビッグアンドクワイエット)空気清浄機」と、「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde(ダイソン ピュリファイアー ビッグアンドクワイエット ホルムアルデヒド)空気清浄機」です。

どちらも10月12日から順次発売。本体サイズは幅415×奥行き434×高さ830mm、8畳を清浄する目安は約11分。公式オンラインストアの価格は「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」が107,800円、「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde 空気清浄機」が126,500円。両者の大きな違いはフィルター構成(後述)で、それ以外は同等と考えてよいでしょう。

今回の2製品は、本体の上部で2つの気流を合流させてパワフルな気流を発生させる仕組み。1秒間に最大87リットルの浄化された空気を10メートル先まで送り出す性能を備え、ダイソンいわく「従来モデルの2倍以上の風量」を実現したということです。

  • 広い空間を清浄するデザインをエンジニアが模索し、現在のデザインを採用

  • 2つの空気を合わせて遠くまで届けます。これはダイソンのヘアスタイリングツール「エアラップ」などに応用されている「コアンダ効果」を利用しているそうです

  • 本体上部の丸い部分から空気が出てきます

  • アパレルショップをイメージした展示。これくらいの広い空間でも静かに空気をきれいにします

  • 一般的な空気清浄機と「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」(左上段)を比較。部屋に充満させたスモークをキレイにする実験です。「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」を使った部屋のスモークが見えなくなっても、ほかはまだ残っています

  • 空気を送る角度は0度、25度、50度で調節できます。角度やモードは本体のディスプレイでチェック

【動画】シャボン玉を使ったデモ。シャボン玉そのものに重さがあるため、なかなか遠くまで届きませんが、空気の流れは分かります

  • 「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde 空気清浄機」はニッケルとブルーの組み合わせが印象的。マイナビニュース +Digitalの林編集長と比較すると大きさが分かりますね

実物はなかなかの大きさですが、キャスターがあるので移動は楽。ちょっと大きめのスーツケースを押しているような感じです。

本体上部にはLCDディスプレイを装備。本体内には、空気中の粒子やガスを検知するセンサーを備えています。空気の質状態は、LCDディスプレイや、連携させたスマホの「MyDysonアプリ」で確認可能です。このアプリはリモコンとしても使えるので、空気清浄のスケジュール設定や、部屋の空気の状態などをチェックできます。

  • 本体のディスプレイとアプリで空気の質を確認

  • ディスプレイの表示はこんな感じ。従来のモデルでもディスプレイで空気の質を確認できましたね

  • アイコンで操作が直感的に分かるリモコン

広い空間を継続できるように、H13規格の高性能HEPAフィルター、活性炭フィルター、加えて「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde 空気清浄機」には酸化分解触媒フィルターを搭載。本体は密閉性を高めて、吸い込んだ空気と汚れを閉じ込めつつ、キレイにした空気を外に送るようにしています。

ダイソンによると、「PM0.1の微細な粒子を99.95%除去し、活性炭のフィルターが有害なガスやニオイを除去」とのこと。日常的なニオイやホコリ、花粉など気になる汚れをキレイにできそうです。

従来のダイソン製の空気清浄機だと、HEPAフィルターの交換目安は1年でしたが、本機のHEPAフィルター寿命は約5年。これは、HEPAフィルターのプリーツ部分を459回折り曲げ、21mの大きさ(キングサイズベッド×2台分相当)まで面積を広げたことによるそう。活性炭フィルターの交換目安は約2年。いずれも1日に12時間使った場合の目安です。

  • 密閉性を高めて、中に入れた空気を漏らさず清浄した空気を外に送り出す設計

  • 本体上部の丸い部分を取り外し、上に持ち上げてカバーを外すとH13規格のHEPAフィルターが出てきます

  • 活性炭フィルターはぐるっと巻きつけます

  • 「Dyson Purifier Big+Quiet Formaldehyde 空気清浄機」の酸化分解触媒フィルターは、空気中のホルムアルデヒドを微量の水と二酸化炭素へと分解します。フィルター交換の必要はありません

パワフルながら音を運転音の静けさにもこだわった

さて、広い空間をすばやくキレイにしようとすると、気になるのは運転音ですよね。今回の新製品では広帯域のヘルムホルツサイレンサー、独自のラビリンスシールといった音響技術を採用し、運転音を21.7~42.7dBに抑えました。

音が本体の外に出る前に、さまざまな工夫によって騒音を減らしています。簡単にいうと、モーターを優しく固定して振動音を抑え、さらに空気の逆流も抑制して、ノイズになる要素を少なくするというものです。

  • 内部構造のイメージ図。独自の構造によって、気流の乱れや振動を抑え、運転音を低減しています

  • こちらはカットモデル。本体上部に特定の周波数の音をとらえる空洞を備設けて、低周波騒音を減らします

  • モーターをソフトな素材で固定して振動を抑えるほか、独自の「ラビリンスシール」によってノイズになる空気の流れを抑える仕組み

メディア向けの発表会には、ミュージシャン/音楽プロデューサーの寺岡呼人さんがゲストとして登場。プライベートスタジオで使用中とのこと。エアコンなどは運転音が気になるためオフにすることもあるそうですが、Dyson Purifier Big+Quietの場合は風が柔らかで音が気にならないと話していました。

  • セミナーのゲストとしてミュージシャン/音楽プロデューサーの寺岡呼人さんが登場。寺岡さんはJUN SKY WALKER(S)のベーシストや、ゆずのプロデュースを担当しました。プライベートスタジオで「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」を使っているとのことで、感想を語ってくれました

  • オフィス使用を想定して、そばに座ってみました。空間が広いこともありますが、運転音は気になりません。また、自然界のそよ風を再現するという「ブリーズモード」で風にあたってみると、まさにそよ風のような心地よさを感じます

広い空間で活躍する「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」と「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」、オフィスや店舗、建物の共有スペースなどでインテリアの雰囲気を損なわずに空気をキレイにできるのはうれしいところ。キャスター付きで移動が楽なのところや、HEPAフィルターの交換目安が5年と長めな点も管理しやすいのではないでしょうか。うちのマンションのエントランスにも置いてほしいものです。

  • ダイソンのカテゴリーインテリジェンスエンジニアのテオ・ジョーンズさんと、ミュージシャン/音楽プロデューサーの寺岡呼人さん