カラスは知能が高いことで知られ、これまでに様々な「知的」活動が報告されており、人間でいえば小学校低学年程度の知能を持つとされている。
このほど、独のエバーハルト・カール大学テュービンゲンの研究グループは、そんなカラスに、ある事柄について限られた情報から推測し結論を導き出す「統計的推論」の能力があることを、初めて発見したそうだ。本研究成果は、学術雑誌「Current Biology」に、8月7日付けで掲載された。ネットでは「ゴミの日朝一で待ってるもんな、カラス」「カラスは投資家脳」などと話題となっている。
本研究では、カラスの意思決定の際に、画像に関連づけられた報酬確率を記憶から取り出し、最大の報酬を得るために柔軟に適用できるかどうかを調べた。まず2羽のカラスにタッチスクリーン上の画像をつつくことで、おやつが出てくることを訓練。次に、9つの異なる画像と10%から90%までの報酬確率を関連付けをおこなった。その後、2羽のカラスに対して、おやつが出る確率が異なる2枚の画像を見せた。
結果、2羽のカラスを10日間訓練し、5,000回ほど画像を選ばせたところ、2羽のカラスはおやつが出る確率が高い画像を選び続けたという。カラスは個々の画像と報酬確率の関連を記憶して、その記憶を駆使してより高い報酬を得られるように行動したのだ。さらに、カラスは1カ月経った後でも、訓練なしにどの画像がより高い報酬と関連しているかを記憶しており、毎回最も高い画像を選ぶことができたとのこと。
ネット上では「ゴミの日朝一で待ってるもんな、カラス」「カラスは投資家脳」「あいつら燃えないゴミの日の曜日とか知ってるぞ年末年始とか長期休暇中休みだと上空で戸惑いの声があがるから面白いぞ」などの声が寄せられた。