iPhoneに標準装備のマップアプリは、ネットワークに接続した状態での利用が大前提です。GPSで取得した位置情報をもとに周辺の地図データをダウンロードするには、モバイル回線またはWi-Fiへの接続が欠かせません。だから、飛行機の中や長く続くトンネル内など、通信状態が厳しい場所での利用は困難でした。

iOS 17のマップアプリでは、オフライン(インターネットに接続していない状態)でも地図を表示できる「オフラインマップ」がサポートされました。指定した地域の地図データをあらかじめダウンロードしておけば、オフラインでも地図の表示やルート案内が可能になります。

目的地付近の地図データを容量無制限のWi-Fiでダウンロードしておけば、通信費の節約にもなります。動画や音楽などストリーミングサービスほどのデータ量ではないものの、マップアプリによるパケット消費量は格段に減ります。

ただし、地図データはそれなりの容量があります。データには道路や地形など基本的な情報のほか、鉄道やバスなど交通機関の情報、移動手段別(徒歩/自動車/自転車)のルートや到着時間に関わる情報なども含まれます。範囲や場所によっては数ギガを超えることもあるため、内蔵ストレージの空きをある程度確保しておかねばなりません。

オフラインマップには、ダウンロード方法(Wi-Fi/モバイル通信)やマップデータが更新されたときの自動アップデートなど、いくつかのオプションが用意されています。しばらく使用していなかったマップデータを自動削除する機能も用意されているので、気軽に利用してみては?

  • iOS 17のマップアプリでは「オフラインマップ」がサポートされました