『龍が如く』を制作する龍が如くスタジオは9月20日、「RGG SUMMIT FALL 2023龍が如くスタジオ 新作制作発表会」を開催した。

  • 左から横山昌義氏、中谷一博、黒田崇矢、安田顕、井口理、大塚明夫、上坂すみれ、伊波杏樹

今回登壇したのは、制作総指揮の横山昌義氏、春日一番役・中谷一博、桐生一馬役・黒田崇矢、難波悠役の安田顕、エリック・トミザワ役・井口理、足立宏一役・大塚明夫、向田紗栄子役・上坂すみれ、不二宮千歳役・伊波杏樹。

今回、紹介されたのは『龍が如く7外伝 名を消した男』 『龍が如く8』の二作。まずは、野田洋次郎とアメリカのラッパーJ.I.Dのコラボ曲「片時」ムービーが流れ、『龍が如く8』が2024年1月26日にリリースされることが発表。

本ムービーに対し、横山氏は「今作は春日一番と桐生一馬のW主人公。春日一番視点では母親探しの旅です。堤真一さん演じる沢城丈も登場し、前作の事件の裏側も描きます」「その春日一番をハワイで救ったのが桐生一馬。そしてトレーラーでガンだと発表しました。目的をもってハワイにやってきています」と桐生一馬についても説明し、今回から頭髪が白髪化した理由について闘病生活も影響していると語った。

また、『龍が如く8』がRPGである理由も改めて解説。今回は仲間とともにストーリーを進めるという内容になっているため、仲間という存在が大きくなるとのこと。『龍が如く7外伝 名を消した男』は桐生一馬が単独主人公のためアクションだが、『龍が如く8』は桐生一馬も老いて人の助けが必要ということを理解。これまでのようには動けず、仲間に支えてもらっている。それを描くためにはRPGが適しているとのこと。

春日一番役・中谷一博は、今回のトレーラーに対して「圧倒されちゃって、なんて言っていいかわからないくらい、面白い予感しかないです」と語ると、桐生一馬役・黒田崇矢も「自分が出演しているとか関係なく、なんて面白そうなんだと思った。桐生は死生観などの感覚が一般の人よりも独特の価値観で生きてます。どんな病になっても覚悟をして戦っていくのかと思っています」と今作の桐生について言及。

続けて、今回の演技について、「私もいろいろな病気をして死にかけてきたので、体の力が入らない、呼吸ができないという過去を思い出しながら演じました。周りの人間に気を遣わせないように喋っていた記憶があるので、桐生もそうなんじゃないかと。隠しながらもどこか弱くなってしまうというニュアンスは意識しました」と演技についての微妙な変化にも触れた。

これに対し横山氏は、「黒田さんも私も、周囲にガンの闘病経験者がいます。そこで黒田さんとディスカッションをしていくなかで、闘病って決して不幸なことだけじゃないと思いました。周りの人が助けてくれて気付くこともあります。病気になっても終わりじゃない。それをきっかけにして明るくて希望のある話を作りたいなと思いました。黒田さんもそこを理解した上で演じてくれました。見事でした」と回顧した。

また、『龍が如く7』から引き続き登場した難波悠役の安田顕は、「前作に出演したときに予想以上の反響がありました。たとえばカズレーザーさんとかは現場でビニール傘を持ってきてくれました。ファーストサマーウイカは、『あなたのファンじゃないけど、難波さんのファンです』と(笑)」と笑いを誘い、「ゲスト枠じゃなくてこの場にいることがなんとも嬉しいです」と感無量気味に話した。

エリック・トミザワ役・King Gnuのボーカルでもある井口理は今回のオファーに対し、「嬉しかったです。学生時代にプレイしていたので」と喜びをあらわにした。足立宏一役・大塚明夫は、足立に対し「生身の人間としての立体感が好きです。ゲームのキャラクターは超人が多いですが、足立は駄目なところがもりだくさん。それが楽しみです」と演技をする上でも人間味のある面を多く出せる足立についての愛を語った。

同じく続投した向田紗栄子役・上坂すみれは、台本を読んだ際の感想を聞かれ「1ページめくるたびにネタバレをくらうような気持ちでした。さっちゃんは『龍が如く』では珍しい戦う女子ですが、今作では少し立ち位置が変わるような、いっちゃん(春日一番)との関係がどうなるのか。プレイしていてムービーが始まる前はお手洗いなどを済ませてから挑んでもらいたいです」と期待を煽った。

不二宮千歳役・伊波杏樹は、2回のオーディションを経て役をゲットしたとのことで、「これまでの作品、1から7まで通っているので、この場にいるのが人生の宝という気持ちです」と感情を爆発させながら振り返った。

お次はゲームトレーラーが流れ、各システムなどが紹介される。パーティを組んで戦う桐生に対し黒田は「基本的に桐生は群れないタイプでしたが、いざとなったら仲間たちと戦っていくので良いことですね」と語り、横山氏も「体の状態もあるし自然な流れですよね。桐生はブーストがかかって覚醒状態になるとアクション操作もできます。特別な感じがバトルシステムにうまく融合していると思います」と解説を交えた。

また、今回のメイン舞台はハワイ。前作の舞台である横浜・伊勢佐木異人町は神室町の3倍のマップ。そして、今回のハワイはその伊勢佐木異人町の3倍のボリュームとのこと。また、ハワイのマップを制作する際、新型コロナウイルスの流行により、リモート取材がメインだったと語る。現地の制作会社にカメラを回してもらい、現地スタッフがハワイに行ったときは、マップを作り終えたときに最後の答え合わせとしてだったという。

そして、ゲームトレーラーの気になるポイントとして、伊波は「大きいサメやイカです。トラと戦ったことは過去にあったけど、これはどうなるんだ」と興奮気味に語ると、横山氏は「サメはデカければデカいほどいいですからね」とエンターテインメントとしてのサメについて解説する。黒田も「俺(桐生一馬)もトラははイケるけど、サメはどうしようね」と困惑気味に語った。上坂も「かつて郷田龍司がタコになったおやっさんを倒したけどイカはどうなるんだろう……(『龍が如く OF THE END』)」と終始サメやイカの話題で持ちきりだった。

最後に横山氏は「今回のテーマは旅。可愛い子には旅をさせよと言いますが、春日一番と桐生一馬が日本から旅をしたらどう生きるのかと思って、それを描いてみたいなと思いました。今回、初めて日本じゃない舞台を軸に作ることは開発チームにとっても旅でした。そして、タイトル自体が大きく世界に羽ばたいていけばいいかなと思います。個人的には明日発売したいなという気持ちです。良いものを世界中に届けたいと思っていますので、ぜひご期待ください」と語り、今回の発表会は幕を下ろした。