Intelは9月12日、次世代のThunderboltである「Thunderbolt 5」の詳細を公開した。この内容を簡単にお届けしたい。

  • Intel、Thunderbolt 5の詳細を公開 - 製品は2024年、最大120Gbpsで通信

    Photo01:

Thunderbolt 5の概要は昨年10月に発表になっている。この時は「次世代Thunderbolt(next-generation Thunderbolt)」という表現であったが、これが改めてThunderbolt 5として正式に発表された格好だ。

スペックなどは昨年の発表から変わっていない。双方向であれば80Gbps、片方向であれば最大120Gbpsでの通信が可能となっており、また従来との互換性も保たれている(Photo02)。具体的なThunderbolt 5のスペックの概略がこちら(Photo03)である。ちなみに双方向で80Gbps、片方向だと120Gbpsの詳細がこちら(Photo04)で、通常は対称モードである80Gbpsであるが、アプリケーションのニーズがあれば非対称モードに出来る格好だ。

  • Photo02: Thunderbolt 4と5の違い。電源供給能力も大幅に向上した(後述)。

  • Photo03: 最大240WのPC Chargingにも対応(Thunderbolt 4では最大100W)。

  • Photo04: ちなみにUSB4 v2.0というか、規格の名前で言えばUSB4 Gen 4でもAsymmetricモードとしてこの120Gbps/40Gbpsのモードをサポートしている。

このThunderbolt 5(とUSB4 v2.0)の最大の特徴が、信号の変調方式にPAM-3を採用した事である。元々Thunderbolt 4の世代では、送受信それぞれ2レーンづつ用意され、ここに20GbpsのNRZ信号を通す事で40Gbpsの双方向通信を行っていた。これがThunderbolt 5では倍増するのだが、40GbpsのNRZはそろそろ電気的に厳しいものがある。そこで変調にPAM-3を利用、信号というかシンボル速度は26.67GT/secにすることでレーンあたり40Gbpsを実現している。

  • Photo05: シンボル速度の26.67GT/secは、PCI Express Gen5の32GT/secよりゆとりがあるので、まだ現実的ということだろう。

先に書いたように、Thunderbolt 4は後方互換性を持っているとされるが、このあたりは実際には相性問題とか出て、本来USB 4で接続できる筈なのにUSB 3相当でしか繋がらないとかいう事態が起きないとは限らないのだが、そのあたりは実際に製品が出てみないと何とも言えない。またケーブルにはThunderbolt 5であることが明示されるとする(Photo07)。

  • Photo06: どこまでこの後方互換性が維持されるかは気になるところ。

  • Photo07: 個人的にはポートの側にも"5"の表記が欲しかったところ。あとケーブルの5の表記ももっと大きくしてほしかった。

このThunderbolt 5のコントローラとしてBarlow Ridgeが2024年の製品に搭載されて出荷される予定との事である(Photo08)。

  • Photo08: 逆に言えば今年発売予定のMeteor Lake搭載ノートには間に合わない訳だ。