Microsoftは現地時間2023年9月1日、長らくWindows標準アプリとして提供してきたワードパッドを、非推奨機能に分類した旨を公式ドキュメントで明らかにした。同社は「今後のリリースで削除する予定。doc(Microsoft Word 97-2003文書)ファイルや、rtf(リッチテキスト形式)ファイルはMicrosoft Wordを。txtなどのプレーンテキストファイルはメモ帳を推奨する」と述べている。
振り返れば、ワードパッドを使用する場面は個人的には多くなかった。Windows 3.1時代はMicrosoft Windowsライトの名称でOSに含まれ、Windows 95以降は現在の名称(ワードパッド)に変更されたものの、テキストエディター至上主義の筆者が文字やレイアウトを加工することは少なく、ワードパッドは不要。どうしても必要な場面はMicrosoft Wordを使用していたように記憶している。
OSにおける標準アプリの是非はさておき、上記の理由からMicrosoftの判断は正しいと感じている。仕事という前提はあるにしても、大半のユーザーはMicrosoft 365やGoogle Workspacを契約して、基本的な機能しか備えないワードパッドではなく、Microsoft WordやDocsを利用しているだろう。個人のPCでもMicrosoft Officeが付属するマシンを使っているユーザーは多いはずだ。Microsoftは遠隔調査したデータを開示していないが、ワードパッドの使用率は気になる要素のひとつだ。
ところが海外のコミュニティーでは、Microsoftの判断に賛否両論。「Microsoft Wordよりも軽快に動作する」「更新せずに残してほしい」といった声が聞こえてくる。アプリの利用方法は人それぞれだが、ブロードウェア(利用頻度の低いアプリ)の判断も多種多様のようだ。そこはMicrosoftも、Windows 11のアプリ改善に努めている。ベータチャネルのWindows 11 Insider Previewでは、Snipping Toolやメモ帳を改善し、CanaryおよびDevチャネルはペイントに背景を削除する機能を追加した。
OSと並行してアプリも良くしようとしているMicrosoftだが、Windows 10登場から数えて約8年。当初表明したコントロールパネルの廃止を促進させるべきではないだろうか。「設定」ではこと足りずに、コントロールパネルのアプレットやコマンドラインから操作するのはいささか疲れてきた。