米NVIDIAは8月23日(現地時間)、同社2024年度第2四半期(2023年5月~7月)決算を発表した。生成AIの開発競争があらゆるレベルで激化しており、それに伴うAI向けチップの需要拡大を受けて、売上高が前年同期比で倍増し、売上高・利益とも過去最高を更新した。

5〜7月期の売上高は135億700万ドル(前年同期比101%増)。純利益はGAAPベースで61億8800万ドル(同843%増)、1株利益は2.48ドル。非GAAPでは、利益が67億4000万ドル(同422%増)、1株利益は2.70ドル。市場の予想平均は、売上高112億2000万ドル、1株利益2.09ドル(非GAAP)だった。事業部門別の売上高は以下の通り。

  • ゲーミング:売上高24億9000万ドル(前年同期比22%増)
  • データセンター:売上高103億2000万ドル(前年同期比171%増)
  • プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:売上高3億7900万ドル(前年同期比24%増)
  • オートモーティブ:売上高2億5300万ドル(前年同期比15%増)

現在、世界にはクラウドやエンタープライズを含む約1兆ドル規模のデータセンターが設置されており、それらが「アクセラレーテッド・コンピューティングと生成AIへの移行を進めている」と、決算説明会でCEO(最高経営責任者)のJensen Huang氏が指摘した。米政府が先端半導体やAI分野の中国への投資を規制する方針を明らかにしているが、たとえNVIDIAのGPUが追加的な輸出規制の対象になったとしても、現在の世界的な需要の強さから、「直ちに重大な影響を受けることはない」との見解をCFO(最高財務責任者)のColette Kress氏が示した。

2024年度第3四半期(2023年8月〜10月)の売上高予想は160億ドル(±2%)で、市場予想の126億1000万ドルを大きく上回るものとなっている。AI向けチップでは現在、NVIDIAが圧倒的なシェアを持っている。今年6月にAMDが「MI300」を発表してNVIDIAに対抗する姿勢を見せたが、NVIDIAも8月8日にSIGGRAPH 2023の基調講演でAIワークロード向けの次世代製品「GH200」を発表。今後もNVIDIAがAI市場でのリードを維持するとの見方が強まっている。予想を上回るガイダンスの公表を受けて、決算発表後の時間外取引でNVIDIA株は約9%上昇した。