米Qualcommは8月23日(現地時間)、ゲーミングデバイス向けプラットフォーム「Snapdragon G3x Gen 2」を発表した。モバイルゲーミングの多様化、モバイルでも高度なゲームを求めるゲーマーのニーズに応える。

Snapdragon Gシリーズは、ファンレス携帯ゲーム機向けの「Snapdragon G1」、フル機能のモバイルゲームとクラウドゲーミング向けの「Snapdragon G2」、そしてエンスージアスト向けの機能と性能を備えたフラッグシップ「Snapdragon G3」の3つで構成されている。Snapdragon G3x Gen 2は、2021年末に発表したSnapdragon G3x Gen 1の新世代SoCになる。

Kryo CPU(8コア)とAdreno A32 GPUを搭載し、最大FHD+(144fps)のオンデバイス・ディスプレイをサポートする。QualcommによるとG3x Gen 1と比較して、CPU性能が30%以上、GPU性能が2倍以上高速化している。ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシング、ゲームの超解像化、XRグラスとのテザリング、Snapdragon Sound Technology Suiteによる低遅延Bluetoothオーディオ、Wi-Fi 7 High-Band Simultaneous (ピークダウンロード速度:5.8Gbps)、5G sub-6およびmmWave、Bluetooth 5.3、デュアルカメラのサポートなど、これからのモバイルゲーミングとクラウドゲーミングのニーズに応えるパフォーマンスと機能を揃えている。

景気減速でスマートフォン販売が縮小しており、ここ数年で増加してきたモバイルゲーム向けを謳うハイエンドスマートフォンが打撃を受けている。そうした中で、ゲーム産業やデバイス・メーカーは「Steam Deck」のようなクロスプラットフォームのモバイルゲーム機にモバイルゲーミングの可能性を見出そうとしている。

G3x Gen 1は米RazerのAndroidポータブルゲーム機「Razer Edge」に採用されたが、The Vergeによると、QualcommはAndroidだけではなくWindowsにも目を向けてモバイルゲーミング向けSoCの開発を進めている。G3x Gen 2は、UFS 4.0に加えてPCIe Gen 4 SSDもサポートしているとのこと。また、ValveのProtonやAppleのGame Porting Toolkitのような、他のOSでWindowsゲームを動作させる互換レイヤーのテストも行なっているという。