OPPOのスマートフォン「OPPO Reno9 A」は、累計出荷台数が180万台を超える、OPPOブランドを代表するシリーズの最新モデルです。このシリーズは、2019年に「OPPO Reno A」が登場してから、「Reno3 A」「Reno5 A」「Reno7 A」と毎年新製品が投入されてきて、今回が5世代目。MNOでは楽天モバイルとワイモバイル、MVNOではIIJmioやmineoなど複数のキャリアで取り扱われているほか、家電量販店や大手ECでも販売中。直販サイトの価格は46,800円となっています。

最新モデルの「OPPO Reno9 A」は、価格に対してのバランスが優れた、いわゆるコスパの良いスマートフォンです。飽きの来ないシンプルな外観に6.4インチの大画面有機ELディスプレイ、4,800万画素の広角カメラに、IP68相当の防水・防塵やおサイフケータイもしっかり備えています。CPUにはクアルコムの「Snapdragon 695 5G」を採用。ストレージは128GBで、メモリは8GBに増強されています。4,500mAhの大容量バッテリーも含めて、前モデルから大きなアップデートはないものの、こなれた機能が不足なく搭載されているという印象。目新しさはには欠けるかもしれませんが、まさにスタンダードといった感じで、競合の多いミッドレンジモデルの中でも、万人に薦めやすい一台になっています。

  • OPPO Reno9 A

    前モデル「OPPO Reno7 A」をほぼ踏襲しつつ、メモリを増強した「OPPO Reno9 A」

  • OPPO Reno9 A 背面

    背面には新たに傷に強い強化ガラスが採用されて、質感や触り心地がアップしています

まずは、外観からチェックしていきましょう。形状は側面がフラットで、まさに一枚板といったとてもシンプルなデザイン。背面はメーカーが「OPPO Glow」と呼ぶ、光が当たるとキラキラと光って見えるのに、触れるとマットでさらっとした質感の強化ガラスが採用されています。出っ張りは少ないものの、大きく配置されたカメラを含む上部のみ、光を反射するツヤのある仕上げとなっている点がワンポイント。側面も含めて指紋がつきにくい工夫がされているので、汗っぽい手で触れても常にきれいな見た目が保てます。

  • 2色のカラー

    カラーはムーンホワイトとナイトブラック2色。「OPPO Reno A」シリーズにはブルーの印象がありましたが、今回は採用されませんでした

  • 背面の加工「OPPO Glow」

    写真ではわかりにくいですが、触り心地はさらっとしているのに、ネイルの細かいラメのようなキラキラ感があります

ディスプレイは約6.4インチ、フルHD+(2,400×1,080ドット)の有機ELを採用。画面占有率は89.4%で、ディスプレイ周囲のベゼルは下側のみ少し太くなっています。ピンホール型のフロントカメラがディスプレイ左上に配置されているのは、「Reno5 A」以降の特徴的なデザインのひとつ。「Reno5 A」の側面は丸く加工されていましたが、「Reno7 A」からはフラットになり、今モデルでも同じくフラットなデザインが踏襲されています。本体サイズは約H160×W74×D7.8mm、重さ約183g。片手操作は少し厳しい大きさですが、軽くて薄いので持ち重りはしないと思います。

  • 右側面
  • 左側面

    厚さ7.8mmで前モデルの「OPPO Reno7 A」から0.2mmだ厚くなっています

ディスプレイのリフレッシュレートは最大90Hzで、タッチサンプリングレートは最大180Hzをサポート。タッチ操作やスクロール操作にカクカクしたところはなく、基本的なタッチ操作にストレスを感じるところはありません。最大輝度は600nitで、明るい太陽光下ではさすがに少し見づらくなりますが、写真や映像を表示して確認した限り、前モデルと同様に発色良くきれいなディスプレイだという印象です。

スピーカーがディスプレイ下部のみのモノラルである点は少し残念ですが、USB Type-Cのほか、3.5mmのヘッドフォン端子も用意されていて、有線ヘッドフォンも接続可能。Bluetoothはバージョン5.1でLDACやaptX HDをサポートしています。音楽や映像を楽しむのにも不足はないでしょう。

生体認証は、ディスプレイ内指紋認証と顔認証の両方に対応。認証のスピードも早く、ここでもストレスを感じることはなさそうです。どちらか一方ではなく、どちらでもロックを解除できるので、マスクの着用時や、手袋の着用時にも、スムーズなロック解除が可能です。

  • 底部
  • 上部

    前モデルから引き続き、3.5mmのヘッドフォン端子も引き続き搭載されています

  • クイック起動の利用

    指紋認証を長押しすることで指定したアプリを起動できる「クイック起動」も利用できます

カメラはセルフィー用のフロントカメラが約1,600万画素(F値2.4)。背面に約4,800万画素(F値1.7)の広角カメラ、約800万画素(F値2.2)で画角が120度の超広角カメラ、約200万画素(F値2.4)のマクロカメラを搭載。スナップ撮影はもちろん、夜景や背景をぼかしたポートレートもきれいに撮れますし、マクロでは2cmくらいまでぐっと近寄って、草花の撮影が楽しめます。

  • 背面のカメラ部

    背面の上がメインカメラで下が超広角カメラ。中央の小さいカメラがマクロになっています

  • メインカメラの作例1
  • メインカメラの作例2
  • メインカメラの作例3

    メインカメラで撮るスナップ写真は高精細で色味も自然な印象。見たままの風景を切り取れます

  • マクロの作例

    マクロでは被写体にぐっと寄った撮影が可能。色も鮮やかできれいです

  • 夜景モードの作例

    夜景モードは真っ暗だと厳しいですが、ある程度光のあるシチュエーションであれば、ざらつきを抑えた写真が撮れます

メインの広角カメラには4つのピクセルをひとまとめにして、より多くの光を取り込む「ピクセルビニング」が採用されています。このため、高解像度撮影を選択しない限り、実際に撮影される写真は1,200万画素になりますが、デジタル6倍までのズーム撮影にも対応しています。

  • ズーム作例:超広角

    超広角

  • ズーム作例:標準

    標準

  • ズーム作例:2倍

    ズーム2倍

  • ズーム作例:6倍

    ズーム6倍

  • 超広角/標準/2倍をワンタップで切り替えられ、さらに指を下にスライドするとダイヤルが現れて6倍まで寄ることができます

インカメラでの撮影はもちろん、アウトカメラのどの撮影モードでも「ビューティー」や「フィルター」を使って“盛った”写真が撮れるのも、OPPOのカメラの特徴。動画は1080p/30fpsで、アウトカメラとインカメラの同時撮影もできます。撮影だけでなく標準の写真編集機能も充実していて、不要なものを削除できる「消しゴム」や顔のレタッチ、モザイクをかけるといった加工が簡単にでき、そのままSNSに投稿できます。

  • セルフィ―の作例

    フロントカメラのポートレートモードでは、玉ボケが楽しめる「ネオンポートレート」や背景をモノクロにする「AIカラーポートレート」などのフィルターが楽しめます

  • モザイク加工

    写真編集では「モザイク」のような加工も簡単にできるので、SNSへの投稿が簡単です

OSはAndroid 13ベースのColorOS 13で、フォルダー内のアイコンを直接起動できるほか、ダブルタップや端末を持ち上げる動作で画面をオンにする、伏せて着信音を消す、耳に近づけて受話するなど、使い慣れると手放せなくなるジェスチャーやモーションも豊富です。またバックグラウンドで動作する機能として、「DCE(Dynamic Computing Engine)」というものが追加されていて、動作の安定や消費電力の最適化に貢献しているとのこと。実際にバッテリー持ちは良く、使い方にもよるとは思いますが、一泊二日の旅行くらいなら途中で充電しなくても、余裕で過ごすことができました。なお最大18Wの高速充電にも対応していて、30分で40%まで充電できます。

  • ColorOS 13のフォルダー機能

    アイコン4つ分のスペースにフォルダーを表示、フォルダ内のアイコンを直接起動できます

通信はn79(4.5GHz)には未対応ながら、国内キャリアの周波数を広くカバーしています。SIMスロットにはmicroSDと排他でnanoSIMが2枚挿せますが、ワイモバイル向けのモデルはシングルSIM仕様。もちろんeSIMもサポートしています。

  • SIMスロット

    オープン市場向けの端末はmicroSDと排他でnanoSIMが2枚挿せます

  • 仮想メモリーの設定

    仮想メモリーを設定してメモリーをさらに倍増することもできます

最後にベンチマークのデータも紹介しておきます。「Geekbench 6」、「3Dmark」、「PCMark for Android」の3つのアプリを使ってテストしました。ハイエンドゲームがストレスなく楽しめる……とはいきませんが、「ポケモン Go」くらいなら熱くなることもなく、快適にプレイできました。

  • 「Geekbench 6 CPU Benchmark」のスコア
  • 「3DMark Wild Life」のスコア
  • 「PCMark for Android Work 3.0」のスコア
  • ベンチマークスコア。左から、「Geekbench 6 CPU Benchmark」「3DMark Wild Life」「PCMark for Android Work 3.0」の順

「OPPO Reno7 A」も評判の良いスマートフォンでしたが、「OPPO Reno9 A」はメモリーに余裕がある分だけ、より安心して使えると思います。引き続き、バッテリーのへたりを軽減する最適化充電や、長期間の使用によって動作が遅くなるのを防ぐ劣化防止機能も搭載されています。メーカーもサポートを強化しているので、長く使える王道モデルと言って良いでしょう。