中国・北京の家電メーカーであるBeijing Roborock Technologyは7月11日に、家庭用掃除機ブランド「Roborock」の新製品として、ロボット掃除機のフラッグシップモデル「Roborock S8 Pro Ultra」(以下、S8 Pro Ultra)と、スティック型水拭き掃除機「Roborock Dyad Pro」(以下、Dyad Pro)を発表しました。
参考価格はロボット掃除機のS8 Pro Ultraが229,900円、水拭き掃除機のDyad Proが62,800円。どちらも7月14日から直販サイトやECサイト、ヤマダデンキ店舗などで順次発売します。メディア向け発表会にて実機や実際に掃除するようすを見てきました。
モップへの給水・モップ洗浄・乾燥、これ全部自動化!
まずはS8 Pro Ultraについて。Roborockのロボット掃除機は、高精度なセンサーによるマッピング機能と高い吸引力を備えているほか、すべて吸引掃除と水拭き掃除を同時に行えます。
フラッグシップとなるS8 Pro Ultra最大の特徴は、ロボット掃除機本体に同梱する高機能な「4way全自動ドック」。4way全自動ドックは、ロボット掃除機本体の充電、本体からのごみ収集だけではなく、モップへの給水、汚れたモップの洗浄、モップ乾燥までをすべて自動で行えます。
この4way全自動ドックは、既存モデル「Roborock S7 MaxV Ultra」の「3way全自動ドック」に、モップ乾燥機能が新しく追加されたもの。3way全自動ドックは、ドック内でモップを洗浄した後、キレイになったモップを別で乾かす必要がありましたが、その手間も省きました。
洗浄を終えたモップは、そのままドック内で熱風乾燥される仕組み。掃除の手間をより軽減したほか、においやカビの発生も防げるようになりました。乾燥時間は、湿気の多い時期やさまざまな環境などを考慮して、3つの時間設定(2~4時間の1時間間隔)から設定できます。
乾燥機能以外の性能や見た目は、3way全自動ドックと大きく変わりません。ドック上部には、「汚水タンク」「水タンク」「ダストケース」を装備。
汚水タンクは、ロボット掃除機の汚れたモップを洗浄した水を回収する役割です。水タンクはS8 Pro Ultra本体のタンクと、モップ洗浄時に必要な水を供給する役割。ダストケースの内側には紙パックを入れて、S8 Pro Ultraで吸引したゴミを収集します。
個人的に好印象だった点は、水拭きモップの自動洗浄するタイミングを細かく設定できる点。掃除が終わってドックに帰還したときのほか、水拭き掃除途中にも設定できます。
水拭き中に設定した場合は、ドックへ戻ってモップ自動洗浄、そして掃除を続ける――という動作となり、水拭き中にモップ自動洗浄する時間の間隔は9段階(10~50分の5分刻み)です。汚れたモップで床を掃除することが人一倍気になる人にとっては、一度の清掃途中に短い間隔でモップ洗浄できてありがたい機能ですね。
ロボット掃除機本体も基本性能アップ!
S8 Pro Ultra本体の進化点としては、従来機のS7 MaxV Ultraから、吸引性能と水拭き性能がアップしています。
吸引力は4,200Paから6,000Paへと強化。加えて、2本に増えた新メインブラシ「デュアルラバーブラシ」により、ラグやカーペットの奥に潜んだ微細なハウスダスト、砂、大きめのゴミまで一気にかき出して吸い上げるため、カーペットの髪の毛やペットの毛の除去率が30%向上しています。
水拭き機能は、モップ裏に配置した、毎分最大3,000回振動するエリアによって床の汚れを落とします。この振動エリアがS7 MaxV Ultraより60%広くなりつつ、2カ所に拡大したことで、しつこい汚れをより効果的に除去できるようになりました。
超音波センサーがカーペットを検知すると、自動で水拭き掃除用のモップを本体内に5mm引き上げるモップの自動リフトアップ機能も搭載(カーペット上では吸引掃除のみを行います)。この機能は毛足が4mm未満のカーペットに対応しており、4mm以上のカーペットでは、カーペット回避機能によってカーペット上には乗らなくなります。
実際にフローリングとカーペット場を清掃するようすを見たところ、吸引と同時に拭き掃除をしていたS8 Pro Ultraのモップが、カーペットに乗り上がるタイミングですばやく上昇。カーペットから降りるタイミングでは逆に、モップがスッと下がりました。
この一連の動きはかなりスムーズで正確です。カーペットとフローリングを実際に触って確認しましたが、カーペットは濡れておらず、フローリングはしっかりモップがけされていました。
S8 Pro Ultraの本体には、物体の距離や形状を判断するストラクチャードライト式カメラと、RGBカメラの2種類を内蔵。家具や小物などをAIがリアルタイムで分析し、位置や種類を特定します。
11種の障害物(スリッパなどの履き物・コード・電源タップ・布類・ペットの排泄物・扇風機などの台座・体重計・ちりとり・紙くず・ペット・挟まりやすい家具)を認識して回避しつつ、アプリ上で障害物として表示します。
カメラに関するプライバシー保護については、認証機関テュフ・ラインランド(ドイツ)のTUV認証を取得しています。S8 Pro Ultraが撮影した動画や画像のデータは保存されません。
壁際1mmまで吸引・水拭きできるスティック掃除機も登場
1台で吸引と水拭きを同時にできるコードレススティック型掃除機であるDyad Proも発表されました。高速回転するローラーで、床に落ちている固体や液体を集め、最大17,000Paの強力な吸引力で吸い込む点が特徴です。
ヘッドは、軽く押すだけで前に進む自走式。充電ドックがなくても自立するほか、左右40度まで回転するため、机や椅子などの家具周りも掃除しやすいです。
ヘッド裏に搭載した2列・3個のローラーブラシは、それぞれ逆方向に回転しながら床の汚れを取り除くため、二度拭きしたような仕上がりになるといいます。また、ヘッドの両端までローラーがあるため、壁ぎわ1mmまで接近して汚れを除去できるとのこと。
Dyad Proは掃除後にドックへ戻すと、ローラーブラシを自動で洗浄する仕組み。洗浄は、標準・強力の2モードを備え、ローラーブラシの汚れ具合によって選べます。
洗浄後は、自動で乾燥も行い、雑菌や異臭の発生を抑制。乾燥は、本体からは標準3時間・高速1時間モードから選べ、専用アプリ「Roborockアプリ」を使用する場合は、2~6時間の1時間単位で設定できます。