ミートソースや口紅など衣類についたガンコな汚れは、洗濯前に「予洗い」をすると効果的。そんな予洗いの強い味方が、シャープが2016年から発売している人気シリーズ「超音波ウォッシャー」です。
これは超音波の力を使って、汚れを「なぞる」だけで落とすハンディタイプの小型家電。7月14日には、超音波ウォッシャーの新モデル「UW-X1」が発売となります。価格はオープン、推定市場価格は22,000円前後。新モデルは汚れ落ちが早くなるなど、さまざまな点が使いやすくなっています。メディア向けの体験会で実機を使ってきました。
水だけでもガンコな汚れをしっかり落とす
超音波ウォッシャーは「ホーン」と呼ばれる金属パーツを搭載した洗浄デバイス。電源を入れると、このホーンが毎秒38,000回の高速振動を開始。振動するホーンが水に触れると水中(や水のすき間)に真空の泡が生まれ、この泡が弾ける力によって布に付着した汚れを飛ばして落とします。衣類の汚れにホーン部分を当てて軽い力でなぞるだけで、洗剤を使わなくても水だけで衣類の汚れを落とせるのです。これ、クリーニング専門店のシミ抜きにも利用される方法だったりします。
UW-X1のもっとも大きな進化は出力パワーの向上です。振動回数は従来と同じ38,000回/秒なのですが、振動パワーが強くなっています。汚れ落ちのスピードは、従来モデルから約25%の短縮。2018年発売のUW-A2では平均60秒かかっていたワイシャツのエリ汚れが、平均45秒で予洗いできるようになったそうです。
ホーンの素材も進化しました。ホーン表面は腐食などを防ぐために強化アルマイト加工されているのですが、UW-X1はアルマイトの被膜が従来のUW-A2と比べて厚くなっています。UW-A2のアルマイト被膜の厚さだと、洗浄に洗濯用洗剤液は使えたものの、漂白剤は利用できませんでした。
UW-X1は洗剤液に加えて、衣料用漂白剤(酸素系)を溶かした水を使った予洗いも可能になりました。衣料用漂白剤(酸素系)を併用することで、落ちにくかった黄ばみ汚れやティント系の口紅汚れなども落としやすくなっています。
充電方式も変わりました。UW-A2は本体底のポートに充電プラグを差し込んで充電するタイプでしたが、新しいUW-X1は専用の無接点充電台を付属。充電台にUW-X1をポンと置くだけで充電できます。この「プラグを差し込む」という一手間が意外と面倒に感じるので、これは本当にうれしいポイントです。なお、UW-X1の充電時間は約5時間。満充電時で約15分の使用となります。
手洗いよりも超音波ウォッシャーが良い理由
ここまではUW-X1の新機能について紹介してきましたが、そもそも予洗いは手や歯ブラシで充分では――という人もいると思います。たっぷりの水と洗剤を使ってゴシゴシとこすり洗いをすれば、多くの汚れは落ちるでしょう。しかし、超音波ウォッシャーは手洗いより魅力的な3つのメリットがあります。
1つめは、弾ける泡の力を利用するので落ちにくい汚れも軽い力でしっかり除去できること。2つめは、布を強くこする必要がないので、繊維を傷めにくいこと。お気に入りの服を長くキレイに着られるのはうれしいものです。3つめは、シルクやカシミアといったオシャレ着についてしまったシミの対処にもおすすめなこと。
超音波ウォッシャーは本来「汚れた部分を水に浸して除去する」製品ですが、水に浸せない製品は少量の水をスプレーして汚れを落とせるというメリットもあります。たとえば、布製のソファーにコーヒーをこぼしたようなとき、「汚れに水をスプレーしてからUW-X1で汚れを浮かせてタオルで吸収する」という作業を何度か繰り返すと、汚れを落とせます。車のシートなど、普通は洗えないものも部分洗いできるのです。
筆者はシャープの超音波ウォッシャーの歴代モデルすべて使ってきています。手軽に汚れを落とせて、布を傷めない、さらに丸洗いできない製品も洗える……と、メリットの多い超音波ウォッシャーでしたが、忙しいときはプラグを差し込んで充電の一手間が面倒。普段から充電しておけばいいのでは? という話ですが、「後で充電しておこう」と後回しにして必要なときに充電切れということもありました。
新モデルのUW-X1は無接点充電台が付属し、置くだけ充電なのでこの「少しの手間」が解消されたことが個人的なツボです。もちろん、汚れ落ちのスピードアップや、いざというときに漂白剤が使えるのも魅力的。うっかり衣類を汚しがちな家族がいる家庭にとって、手元にあると何かと役立つ製品です。