Micronは新たなコンシューマー向けブランド「Crucial Pro」シリーズを発表した。ゲーマー、クリエイター、プロフェッショナルをターゲットにしており、Gen 5(PCI Express 5.0)対応のSSD「Crucial T700」、メモリの「DDR5 Pro」、「DDR4 Pro」をラインナップ。製品版を試用する機会を得たので、紹介していこう。

  • 性能と安定性重視の「Crucial Pro」シリーズ登場 - Gen 5 SSD「T700」製品版をテスト! DDR5/DDR4メモリも紹介

    Micronの新たなコンシューマー向けブランド「Crucial Pro」シリーズ

Crucial T700はエンジニアリングサンプルと比較!

まずは、Gen 5 SSD「Crucial T700」だ。詳しくは、以前の記事『Crucial初のGen 5 SSD「Crucial T700」速攻検証 - 最大12,400MB/秒のPCIe 5.0(x4)に対応』で解説しているので参考にしてほしいが、製品版は「Crucial Pro」シリーズに加わることになった。

  • Crucial初のGen 5 SSD「Crucial T700」。4TB/2TB/1TBをラインナップ。ヒートシンクありとなしを用意している。国内での販売情報も間もなく公開されるようだ

ここでは、『Crucial初のGen 5 SSD「Crucial T700」速攻検証 - 最大12,400MB/秒のPCIe 5.0(x4)に対応』ではエンジニアリングサンプルだったが、今回は製品版が手に入ったので同じPCを使い、どこまでスコアが変わったのかテストしてみよう。Crucial T700はエンジニアリングサンプル、製品版とも2TB版だ。

【検証環境】
CPU Intel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボード MSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z690)
メモリ Kingston FURY Beast DDR5 KF556C36BBEK2-32(PC5-44800 DDR5 SDRAM16GB×2)
ビデオカード NVIDIA GeForce RTX 4070 Founders Edition
システムSSD Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラー Corsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
電源 Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OS Windows 11 Pro(22H2)
  • Crucial T700エンジニアリングサンプルのCrystalDiskMark 8.0.4の結果

  • Crucial T700製品版のCrystalDiskMark 8.0.4の結果

まずは、CrystalDiskMark 8.0.4から。製品版のほうがすべて高速だが、とくにエンジニアリングサンプルでは最適化されていないとしていたランダムアクセスは大幅に向上。RAN4KQ32T1のリードは約1.4倍も速度アップしている。

  • Crucial T700エンジニアリングサンプルのPCMark 10 Full System Drive Benchmarkの結果

  • Crucial T700製品版のPCMark 10 Full System Drive Benchmarkの結果

Office系、クリエイティブ系、ゲーム系とさまざまなアプリの動作をシミュレートしてその処理性能を見るPCMark 10 Full System Drive Benchmarkの結果だ。こちらはほとんど誤差レベルだった。

  • Crucial T700エンジニアリングサンプルの3DMark Storage Benchmarkの結果

  • Crucial T700製品版の3DMark Storage Benchmarkの結果

次は、ゲームの起動やロード、プレイしながらの録画などゲーム関連のさまざまな処理をシミュレートする3DMark Storage Benchmarkだ。こちらは大幅にスコアが向上した。現役SSD最速クラスと言える。エンジニアリングサンプルからチューニングが進んだようだ。

DDR5/DDR4メモリはOCプロファイルを持つ

CrucialブランドのDDR5/DDR4メモリは基本メモリチップはむき出しのシンプルな作りだったが、DDR5 Pro/DDR4 Proではアルミニウムヒートスプレッダーを採用。冷却を強化している。

【Crucial DDR5 Pro/DDR4 Proの主なスペック】
型番 動作クロック レイテンシ メモリタイミング 動作電圧
CP2K16G56C46U5(16GB×2) DDR5-5600 46 46-45-45 1.1V
CP2K16G4DFRA32A(16GB×2) DDR4-3200 22 22-22-22 1.2V
CP2K32G4DFRA32A(32GB×2) DDR4-3200 22 22-22-22 1.2V

DDR5 Proは16GBが2枚セットのCP2K16G56C46U5がラインナップ。ネイティブでDDR5-5600動作だが、Intel向けのXMPとAMD向けのEXPO、両プラットフォームのOCプロファイルも備えている。これは、DDR5を4枚マザーボードに取り付けると動作クロックが自動的に落ちる場合があり、それをOCプロファイルを読み込むことで回避できる。OCするため、というよりも4枚装着時にDDR5-5600で動作させるための機能と言ってよいだろう。

  • Crucial DDR5 ProのCP2K16G56C46U5。16GBが2枚セットになっており、実売価格は17,000円前後

  • OCプロファイルはXMPとEXPOの両方に対応とプラットフォームを気にせず使える

  • DDR5 Proの基板は黒だった

DDR4 Proは16GBが2枚セットのCP2K16G4DFRA32Aと32GBが2枚セットのCP2K32G4DFRA32Aがラインナップ。ネイティブでDDR4-3200動作だが、DDR5と同じく4枚装着時に動作クロックが落ちた場合、元に戻すためのXMPプロファイルを持っている。

  • Crucial DDR4 ProのCP2K16G4DFRA32A。16GBが2枚セットになっており、実売価格は10,000円前後

  • DDR4 Proの基板は緑だ

製品数は多くないが性能と安定性を重視しているという「Crucial Pro」シリーズの登場は自作好きとしてはうれしいところ。今後、さまざまな製品が登場することを期待したい。