米Microsoftは5月23日(現地時間)、同社の検索サービス「Bing」がOpenAIの対話AIサービス「ChatGPT」の標準検索機能に採用されたことを発表した。同日から有料サブスクリプション「ChatGPT Plus」のユーザーにロールアウトを開始し、無料ユーザーも利用できるようにする。
ChatGPTのトレーニングデータは2021年9月が最新であり、それ以降の情報に関する質問(例:2022年FIFAワールドカップの優勝チームは?)には回答できない。新しい情報に対応できないのが弱点の1つだが、ベータ機能としてChatGPT Plusへの提供が始まったプラグインの「Web browsing」を組み合わせることで、Web検索で収集した新しい情報もChatGPTが提供できるようになる。そのWebブラウジングのデフォルトが「Bing」になった。Microsoftによると、Bing検索の結果とWebデータに基づいた情報を提供し、新しいBingのAIチャット機能と同様、回答の情報をユーザーが調べられるように引用元をチャット内に表示する。
無料ユーザーについても、近日中に「ChatGPTにBingをもたらすプラグインを有効にするだけで利用できるようになる」としており、プラグイン機能の提供が無料ユーザーにも拡大されるようだ。
Microsoftはまた、5月初めに発表したBing用のプラグインとChatPGTのプラグインの相互運用が可能になることを発表した。ChatGPTのプラグインストアではすでに、食材デリバリーの「Instacart」、トラベル検索・料金比較の「KAYAK」、レストラン予約の「OpenTable」、ワークフロー自動化の「Zapier」、不動産検索「Zillow」など、120以上のプラグインが配信されている。それらChatGPT向けに開発されたプラグインを、新しいBing、Dynamics 365 Copilot、Microsoft 365 Copilot、Windows CopilotといったMicrosoftのCopilot機能で利用できる。Microsoftは、開発者のプラグインの作成、デバッグ、デプロイをサポートする一連のツール、企業のプライベートデータでプラグインを実行・テストするAzureの機能の追加を予定しており、相互運用を可能にし、開発者のプラグイン開発の負担を軽減することで、AIプラグインのエコシステムの拡大を加速させる。