ディスプレイの特定箇所にアイコンの残像のようなものが映るようになり、壁紙を変更しても画面を布で拭いても消えない、という状態でしょうか? それはおそらく「焼き付き」や「画面焼け」と呼ばれる現象で、有機EL(OLED)ディスプレイに多く見られます。iPhoneの場合、X以降の「Super Retina」および「Super Retina XDR」ディスプレイは要注意です。
ディスプレイにおける焼き付き現象は、OLEDなどの自発光型ディスプレイで長時間同じ色/模様を表示した場合に起こりがちとされています。数秒程度では発生しないものの、まったく同じ画像を1日数十分、あるいはそれ以上表示し続けると、表示していないときにもその輪郭がぼんやりと映るかもしれません。
焼き付きはハードウェアに生じた劣化であり、ディスプレイの場合はパネルを交換しないかぎり完全には修復できません。対策としては予防に徹するしかなく、ディスプレイの設定がものをいいます。
対策のひとつは、iPhoneを未操作状態のまま放置しないことです。未操作状態が続けば、それだけ同じ画面が表示される時間が長くなるため、「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」の順に画面を開き、最短の「30秒」を選択しておきましょう。
ダークモードの活用もひとつの方法です。有機ELディスプレイは黒色では画素を点灯させないため、黒基調のダークモードを利用することで、点灯範囲を狭めようというわけです。
ただし、画面上部のステータスバーと画面下部の横棒(ホームバー)は、消すこともできなければ表示を止めることもできません。ホーム画面のアイコン表示位置も決まっているため、累計表示時間が長くなれば輪郭が残像となる可能性は高まります。結局のところ、こまめにスリープさせることがベストな焼き付き防止策といえそうです。