ストレスにさらされた植物は、人間の耳では聞き取れない「音」を発しているのだという。これは、イスラエル・テルアビブ大学の研究者チームが実施した研究によるもので、専門誌「Cell Press」に掲載された。

  • 植物の「悲鳴」の録音に成功、茎を切られたトマトなど - ネット「マンドレイクかな?」

    植物の「悲鳴」を録音に成功。……マンドレイクか?

研究では、茎を切った個体と、5日間水を与えなかった個体、何もせずストレスのない個体の植物を用意。温室環境を備えた防音音響室に、タバコとトマトの苗を入れ、20~250キロヘルツの周波数を記録する超音波マイクを設置して行われた。

結果として、植物が「ポップコーンを作るときの破裂音のような、非常に短いクリック音」を発していたという。この音は、通常人間の耳では聞き取れない。なお、こちらで公開中の同研究の動画では、周波数を下げ人間の耳でも聞こえるように加工した植物の「音」を紹介している。

さらに、各個体を詳しく比較すると、ストレスのかかっている個体は、特に音を発していることが分かったという。具体的には、茎を切った個体と、5日間水を与えなかった個体は、1時間あたり最大約35回の音を発するのに対して、ストレスを受けていない個体では1時間に1回程度と、はるかに少ない音しか発しなかったそうだ。

同研究チームによると、さらに小麦やトウモロコシ、サボテン、ブドウなど、ほかの植物でも同様に音の録音に成功。どの植物も、ストレスを受けている個体の方が、より多くの音を発することが分かったという。

この音は、植物の内部に発生する気泡が、何らかの圧力により潰れることで発されていると考えられているそうだが、正確なメカニズムは判明していないとのこと。また、そもそも植物が音を出す理由に関しても、まだ明らかとはなっていないそう。

同研究チームは、「この研究は、これまで植物界はほとんど沈黙していると考えられてきた植物学者の認識を覆すもの」とコメントしてている。

ネット上では「・・これが植物の悲鳴か!」「科学すごい!」「植物に話しかけたら育ちが良いという話もw」「マンドレイクかな?」などの声が寄せられた。