英ケンブリッジ大学の研究チームは、心臓病などのリスクと身体活動レベルとの関連性についての研究結果を発表した。それによると、1日10分程度早歩きをするだけでも、心臓病などのリスク低減に効果があるというのだ。医学誌「British Journal of Sports Medicine」に掲載されている。

  • 英研究、1日10分程度の「早歩き」に心臓病リスクを減らす効果 - ネット「たった10分でも違う!」

    1日10分程度の早歩きで、心臓病などのリスク低下に効果がある

WHOが発表する「身体活動および座位行動に関するガイドライン(WHO Guidelines on physical activity and sedentary behaviour)」によると、一般的な成人は週150分(1日約21分)の中程度の運動が、または週75分(1日約10分)の激しい運動が推奨されている。しかし今回の発表では、推奨される運動量の半分だけでも健康増進の効果を得られるというのだ。

本研究では、94件の大規模コホート研究を対象とした196件の査読済み論文で報告された結果について、系統的レビューとメタ分析を実施。対象となった研究の参加者は3,000万人以上にのぼり、これまでで最大の分析だという。

結果として、早歩きのような中程度の運動を週75分以上(1日約10分)続けるだけで、早期死亡のリスクを23%低下させることが判明したそうだ。また、心血管疾患の発症リスクを17%、がんの発症リスクを7%低下させるのだとか。がんを部位別でみると、肺がんや肝臓がん、子宮内膜がん、大腸がん、乳がんなどのリスクが3~11%、頭頸部がんや骨髄腫、胃がんのリスクが14~26%低下するのが観察されたとのこと。

同研究チームは「いくつかの身体活動を行うことは、それが少ない運動量であっても、何も行わないよりも良いことです」と述べている。

ちなみに、中程度の運動には早歩きやダンス、サイクリング、テニス、ハイキングなどが含まれる。運動の強度に関しては、心拍数が上がり、呼吸が速くなるが、それでも話すことができるような激しさが目安になるという。

ネット上では「たった10分の早歩きでいいのかよw」「電車通勤の私は気付かずに健康な日常を送っていたようだ」「たった10分の早歩きで十分とか信じられないんだが...」「逆に言えば運動を全くしないことがどれだけ危険かということでもある」などの声が寄せられた。