2023年2月1日、Samsungの頑丈、高速、コンパクトと3拍子そろった外付けSSD「T7 Shield」の4TB版が発売となった。試用する機会を得たので、さっそく気になる速度をPCとPS5で測ってみた。

Samsungの「T7 Shield」は、わずか98gの小型で軽量なボディながら、塵や水滴に強いIP65準拠かつ3メートルの落下にも耐えられる頑丈さを持ち、さらに高速なデータ転送も可能なUSB 3.2 Gen2対応のポータブルSSDだ。1TBと2TBの2モデルがラインナップされていたが、そこに4TBが加わった形だ。

  • 堅牢高速ポータブルSSDに大容量版が追加! Samsung「T7 Shield」の4TBモデルを試す

    Samsungの「T7 Shield」。4TB版の実売価格は49,980円前後

T7 Shieldはどの容量でも幅88mm、奥行き59mm、高さ13mmとコンパクト。4TBになっても安心して手軽に持ち運べるのは変わらない。4TB版なら、データの持ち運びはもちろん、容量に制限のあるゲーミングノートのゲームインストール用として使うのもアリだろう。ちなみに、ボディカラーは今回したブラック以外に、ブルーとホワイトも存在している。

  • 手のひらサイズのコンパクトなボディ

  • 重量は筆者の実測で95g

このサイズで公称読み出し速度は最大1,050MB/秒、書き込み速度は最大1,000MB/秒とSerial ATA接続のSSDを超える速度に達しており、大容量データのコピーも高速に行えるのが大きな魅力だ。インタフェースはUSB 3.2 Gen2(10Gbps)のType-C。ケーブルは両端ともType-C形状、片方がType-A形状の2つを付属しており、使用するデバイスに合わせて選べるようになっている。なお、WindowsやMac OSのほか、Android、家庭用ゲーム機にも対応している。保証は3年間だ。

  • 付属のケーブルは両端がType-C形状と片方がType-A形状の2種類

ここからは実際の速度をチェックしてみよう。テストにはCrystalDiskMark 8.0.0cを利用する。テスト環境は以下の通りだ。

■テスト環境
CPU Intel Core i9-13900K(24コア32スレッド)
マザーボード MSI MPG Z790 CARBON WIFI(Intel Z690)
メモリ Kingston FURY Beast DDR5 KF556C36BBEK2-32(PC5-44800 DDR5 SDRAM16GB×2)
ビデオカード MSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC(NVIDIA GeForce RTX 3070)
システムSSD Western Digital WD_BLACK SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0(PCI Express 4.0 x4、2TB)
CPUクーラー Corsair iCUE H150i RGB PRO XT(簡易水冷、36cmクラス)
電源 Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OS Windows 11 Pro(22H2)
  • 標準のファイルシステムはexFATだった

  • CrystalDiskMark 8.0.0cの結果。データサイズは1GiB

シーケンシャルリードは1087.19MB/秒、シーケンシャルライトは1048.89MB/秒と公称以上の速度を記録した。USB 3.2 Gen2の転送速度の限界近くまで速度が出ており、これなら大容量のデータコピーも苦にならないだろう。

また、本体にはSamsung Portable SSD Software(Windows版とMac版)が収録されており、それをインストールすることでパスワードロックをかけて保存したデータへのアクセスを制限することも可能だ。ただし、パスワードロックをかけるとSamsung Portable SSD Softwareが入っていない環境ではロックを解除できないので注意したい。

  • 本体にSamsung Portable SSD Softwareが収録されている

  • インストールすることでパスワードロックをかけることが可能

  • 設定したパスワードを入力しないと保存したデータにアクセスできなくなる

また、同社のWebサイトから無料でダウンロードできるSSD管理アプリ「Samsung Magician」にも対応しており、導入するとドライブの状態や温度など細かな情報を表示可能だ。

  • 同社のSSD管理アプリ「Samsung Magician」にも対応する

続いてPS5(CFI-1100A)の外付けストレージとして利用した場合の速度をチェックしたい。PS5の拡張ストレージとしてフォーマットし、モンスターハンターワールド:アイスボーンをインストールして起動とロード時間を測定した。なお、PS5はUSB接続の外付けストレージにゲームをインストール可能だが、プレイできるのはPS4対応のゲームのみだ。PS5対応のゲームは保存が可能というだけで、プレイするには本体の内蔵SSDか増設したPCI Express 4.0対応のM.2 SSDにゲームを保存する必要がある。

  • PS5の外付けSSDとして使用する。前面のType-Cポート(10Gbps)に接続した

  • モンスターハンターワールド:アイスボーン - 起動とロード時間

PS5の前面にあるType-CポートはUSB 3.2 Gen2(10Gbps)仕様なのでT7 Shieldの速度を活かすことが可能だ。PS5の内蔵SSDは非常に高速なことで知られるが、T7 ShieldでもPS4のゲーム起動とロードに関してはほとんど変わらないという結果になった。ちなみに、内蔵SSDから外付けSSDのT7 Shieldにモンスターハンターワールド:アイスボーン(59.74GB)移動させるのに、約2分54秒必要だった。

頑丈で高速な小型SSDとして好評だったT7 Shieldだけに4TB版が加わったことで、用途の幅がより広がったと言える。動画素材など大容量データの保存や移動、複数ゲームのインストール、日々のバックアップなど活用方法はさまざまだ。4TBの高速SSDとして特別高価というわけでもなく、大容量SSDを求めているなら注目の1台と言える。