サードウェーブは、京都府と茨城県に対して寄付を行った功績が認められ、「紺綬褒章(褒状)」を受章した。「紺綬褒章」とは、1918年に制定された日本の褒章の1つ。公益のために私財を寄付し、その功績が顕著な個人または法人・団体に対して、日本国政府より授与される。なお、褒章授与の対象が団体である場合、「褒状」が授与される。

なぜ同社が「褒状」の授与に至ったのか、サードウェーブ 取締役 eスポーツ推進本部本部長の前田雅尚氏に話を聞いた。

  • サードウェーブ 取締役 eスポーツ推進本部本部長の前田雅尚氏

――まず「褒状」が授与された経緯を教えてください。

前田雅尚氏(以下、前田):企業版ふるさと納税制度を活用し、eスポーツの活用に積極的な茨城県と京都府に対して寄付を行ったところ、両府県から内申いただき、今回の褒状授与につながりました。

――褒状授与の知らせがあったときの感想を教えてください。

前田:弊社では、これまで国内におけるeスポーツシーンをさまざまな形で支援してきました。ゲーミングPCブランド「GALLERIA」としてのeスポーツイベントのスポンサーシップ、eスポーツ施設「LFS池袋」の設立、「全国高校eスポーツ選手権」の共催などが代表的なものですが、eスポーツに積極的な自治体に対して、企業版ふるさと納税制度を活用してへ寄付も行っています。今回、その結果が認められたので、大変うれしく思います。

――「企業版ふるさと納税」で京都府に寄附した理由を教えてください。

前田:京都府へは、eスポーツ施設に必要な機材や、いくつかのイベント開催に役立てていただけるよう寄付しました。地域活性化は一度のイベントで完結するものではありませんので、継続的に施設を活用していただくことを前提にしています。

――「企業版ふるさと納税」で茨城県に寄附した理由も同様でしょうか。

前田:茨城県は。2019年に第1回「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」を開催するなど、eスポーツに積極的に取り組む自治体の1つです。「全国高校eスポーツ選手権」などを通じて茨城県のeスポーツ担当の方とお話しする機会があり、茨城県の取組に共感しましたので、企業版ふるさと納税による寄付に至りました。

――eスポーツに積極的に取り組んでいる自治体はほかにもあると思いますが、そのなかで京都と茨城を選んだ理由を教えてください。

前田:両府県とも、知事が自ら「eスポーツに積極的に取り組む」と発言されているところがポイントの1つです。知事がリーダーシップを発揮され、eスポーツを活用して地域の課題を解決するという意思に、弊社も共感しました。

――今後ほかの地域にも同様の寄付をする予定はありますか?

前田:弊社の「eスポーツを日本の新しい文化に」という理念に共感していただき、自治体としてeスポーツを活用したさまざまな取り組みを計画されているのであれば、ぜひご一緒させていただきたいと思います。

――自社で直接eスポーツ関連の事業を開始する選択肢もあると思いますが、今回寄付を選んだ理由を教えてください。また、寄付のなかでも「企業版ふるさと納税」を使った理由を教えてください。

前田:弊社では、これまでeスポーツ施設を作ったり、高校生向けの大会に特別協賛したりなど、国内でさまざまな取り組みを進めてきました。しかし、日本全体でeスポーツを浸透させるには各地域における活動が欠かせません。そこで、企業版ふるさと納税制度の理念でもある「地方創生」の文脈で、eスポーツの振興や地域の活性化に取り組んでいただける自治体に寄付をしようという考えに至りました。

――それぞれの寄付金について、どのような形で活かされることに期待されていますか。

前田:両府県民の方々にeスポーツをより身近に感じていただき、eスポーツを活用した人材育成や地域の活性化につながる施策に活用されることを期待しています。

――eスポーツが地域活性化に寄与するために必要なことは何だと思いますか。現状感じられている課題などがあれば合わせて教えてください。

前田:より地域に根差した特色ある活動の増加が必要なのではないでしょうか。オンラインで全国から参加できることがeスポーツの良い点ではありますが、「自分の町のeスポーツチーム」や「自分の町のeスポーツイベント」のようなものが今後確立されれば、より地域活性化に寄与できると思います。

――eスポーツは地域活性化に対してどのような効果をもたらすとお考えでしょうか。

前田:先ほどの回答と重複しますが、より幅広い世代の方々がeスポーツに触れることができ、地域に根差した特色あるイベントなどを作り上げることができれば、ほかのスポーツや音楽イベントのような経済効果をもたらすと考えています。

――eスポーツによる地方創生において、PCメーカーはどのようにかかわっていくべきだとお考えでしょうか。貴社の役割を教えてください。

前田:多くのスポーツと同じく、eスポーツに取り組める環境の整備が役割として挙げられるのではないでしょうか。その地域にお住まいの方々が「eスポーツをやってみたい」と思ったときに、身近にeスポーツに取り組める施設・設備がある。そんな環境を実現するためのお手伝いができればと思っています。

――地域への寄付以外にも、貴社は「高校eスポーツ部支援プログラム」やプロゲーミングチームのスポンサード、大会の協賛などを積極的に行っている印象があります。その理由・目的を教えてください。

前田:eスポーツを新しい文化とするためには、高校生を中心とした十代後半から二十代前半への支援が重要と考えているためです。

――2022年はオフラインのeスポーツイベントが徐々に開催されるようになった年でもありました。サードウェーブとして、GALLERIAとして、2022年はeスポーツシーンとどのような関りがありましたか?

前田:3年ぶりにリアル実施された「東京ゲームショウ 2022」への出展や、各eスポーツイベントへの協賛などで関わることができました。

――今後も、寄付や支援は継続していくのでしょうか。

前田:企業版ふるさと納税をはじめ、サードウェーブは日本全国でeスポーツを支える方々をこれからも支援していきます。今後もeスポーツ業界のさらなる発展へ、さまざまな形で貢献できればと考えています。ぜひ、これからもサードウェーブの活動にご注目ください。

――ありがとうございました。