フランス・パリ近郊のヴェルサイユ宮殿で、4年に一度開催されている国際度量衡総会(CGPM)にて11月18日、数の桁を表す世界共通の「SI(国際単位系)接頭語」に、新たに10の30乗を表す「クエタ」など4つの新たな接頭語を追加することが決定した。

  • 地球の質量は「約6ロナグラム」 新しい単位の追加に、ネット「でかすぎて分からん」

    SI接頭語に新たに4つが登場。10に30乗を表す「クエタ」など

「SI(国際単位系)接頭語」は、十進数をベースにした世界共通の単位体系であるSI単位の前につけられる接頭語。10の6乗を表す「メガ」や、10の9乗を表す「ギガ」10のマイナス9乗を表す「ナノ」などがある。「ヘルツ」や「メートル」、「ワット」などのSI単位の前に置いて、大きな量や、小さな量を端的に表すことができる。例えば、「1,000,000,000メートル」という長さは、「1ギガメートル」と端的に表記できる。

今回追加が決定したSI接頭語は、10の30乗を表す「クエタ」のほか、10の27乗を表す「ロナ」、10のマイナス27乗を表す「ロント」、10のマイナス30乗を表す「クエクト」だ。それぞれ27個と30個のゼロをつけて数量を表すのだが、規模が大きすぎてどれくらいかわからない。例えば、地球の質量を新たなSI接頭語で表現すると、約6ロナグラムなんだとか。また、木星の質量は、約2クエタグラムになるようだ。

今回の追加は、最大の値である10の24乗で表す「ヨタ」が1991年に追加されて以降31年ぶりだという。背景には、近年のデジタル技術の進歩により、デジタルデータが爆発的に増加したことで、将来的に現在ある最大の値である10の24乗で表す「ヨタ」でさえも、表現できなくなることがあるようだ。英国国立物理研究所(NPL)の計測部門の責任者であるリチャード・ブラウン氏は、「ロナやロントなどは、少なくとも今後20~25年間は非常に大きな数値を計測する必要性を満たすはずだ」と述べている。

ネット上では「日常生活に必要なくて草」「なんかSFチックな単位が来たな(ゲーム脳)」「凄いんだろうけど規模がでかすぎて分からん」「那由多が10の60乗、無量大数が10の68乗だからまだまだだね」などの声が寄せられた。