世界初の機能を搭載したスマートフォンがZTEから出ています。その機能とはフロントカメラをディスプレイの下に埋め込んだ「アンダーディスプレーカメラ」。アンダーディスプレーカメラ搭載のスマートフォンはまだ数が少なく、あまり話題にはなっていません。でも実は日本では楽天モバイルから「Rakuten Big」が同機能を搭載したスマートフォンとして世界で初めて販売されています。
ZTEのアンダーディスプレーカメラ搭載スマートフォンはこのRakuten Big以降、「AXON 20 5G」「AXON 30 5G」と毎年リリースされています。2022年モデルは「AXON 40 Ultra」となり、メインカメラも大きく性能アップした強力なカメラフォンとして登場しました。
AXON 40 Ultraのカメラは6,400万画素が3つという、とてつもない性能を持っています。一般的なスマートフォンはメインカメラだけが高画質ですが、AXON 40 Ultraはメイン、超広角、望遠といずれも6,400万画素なのです。しかもメインカメラは他のスマートフォンよりも焦点距離の長い35ミリ。人物撮影、ポートレートに適したカメラとなっているのです。
とはいえAXON 40 Ultraの特徴はメイン側のカメラだけではないのです。ディスプレイを見るとフロントカメラが見当たりません。ディスプレイの上部中央にフロントカメラが埋め込まれているのです。
実際に写真や動画を表示してみると、カメラが埋め込まれているようには思えません。実際はフロントカメラの上の部分のディスプレイは解像度を低くしているため、光の当て具合で小さな正方形の影のようなものが見えてしまうことがあるのですが、AXON 40 Ultraは角度を変えても影は見えず、いよいよアンダーディスプレーカメラが実用的なものになったと実感させてくれます。
それではディスプレイの下に隠れたカメラで、自撮りの性能はどれくらいなのでしょうか? 実は以前、前のモデルであるAXON 30 5Gと、その前の機種AXON 20 5Gのアンダーディスプレーカメラの取り比べの記事を書きました。
今回は最新のAXON 40 Ultraを使っての撮影です。カメラを起動してフロントに切り替え、まずは1枚撮影してみました。画質は普通のフロントカメラとあまり変わらないでしょうか? なおビューティーモードは7段階の「3」(デフォルト)。ディスプレイを通して写しているせいか、AI処理した感じはありますが、ボケることもなくしっかりと撮れています。
また特に画面下のカメラであることを意識せず、シャッターも普通に押せます。実は前モデルのAXON 30 5Gでは、フロントカメラを使ってセルフィーをするとき、連続でシャッターを押すと反応が鈍くなることがありました。これは写真を撮った後でAI処理をかけることから、一時的にCPUの負荷が高くなってしまうからでしょう。自撮りした後のプレビューを見るときも、AXON 40 Ultraは即時に表示されるのに対し、AXON 30 5Gは数秒ボケたような表示になることもありました。
さてそれでは前モデルとのフロントカメラの撮影比較を行ってみましょう。左がAXON 40 Ultra、右がAXON 30 5Gです。AXON 40 Ultraのほうが顔の色味が自然ですね。草木の表現もAXON 40 Ultraのほうが良い感じです。
続いて室内、若干暗めな部屋での撮影です。AXON 30 5Gは明るく写っていますが、やはりAXON 40 Ultraのほうが顔の色の表現はうまいかもしれません。AXON 40 Ultraは確実に進化している、と感じられます。
アンダーディスプレーカメラの初期の製品は画質があまりよくなく、積極的にセルフィーしようと思えるものではありませんでした。しかし最新のAXON 40 Ultraなら他のスマートフォンと変わらぬ感覚でフロントカメラを使うことができるでしょう。しかもポートレート撮影にも強いので、今度はぜひメインカメラをじっくり使ってみようと思います。