AirPlayといえば、映像をテレビに映し出したり、音楽をスピーカーに出力したり...映像にせよ音楽にせよ、iPhoneからワイヤレスでデータを送出するしくみです。送り先の指定方法はいくつかありますが、リストアップされた候補の中から選ぶしくみで、Bluetooth機器におけるペアリングのような事前の登録作業は必要ありません。

しかし、ロック画面やコントロールセンターで音楽の出力先を変更するときの画面には「AirPlay」の文字が。iPhone内蔵スピーカーからBluetoothイヤホンへ、BluetoothイヤホンからiPhone内蔵スピーカーへ切り替えるにもかかわらず、ダイアログの名称はAirPlayです。経路がWi-Fiでないのに、納得できませんよね。

この「AirPlayイコールWi-Fi」という考えかたは、やや硬直的なようです。iOS 11でAirPlay 2が登場した頃から、スピーカーやイヤホンなどオーディオ機器を選ぶときの画面は、通信経路がWi-FiかBluetoothかを厳密に区別せず、「AirPlay」とひと括りにするようになっています。

ただし、音楽/映像の伝送規格としてのAirPlayは、Bluetoothとまったく異なります。AirPlayの場合、データの送信先の名称とアドレスは、LANに接続されたコンピュータやスマートフォンなどの機器を検出する「Bonjour(ボンジュール)」によって自動設定されますし、Bluetoothとは異なり音楽のロスレス伝送をサポートするなど機能にも差があります。音声出力先を切り替えるときのダイアログは、便宜上BluetoothもAirPlayに含めて表示しているだけのことなのです。

  • Bluetoothイヤホンなのに、AirPlay機器として扱われているのはなぜ?