米Intelは5月10日(現地時間)、第12世代Core HX Processorを発表したので、これをご紹介したいと思う。
第12世代Core HX Processorは、既に発表されている第12世代Core H Processorと同じくモバイル向けのAlder Lakeであるが、H ProcessorのハイエンドであるCore i9-12900HKでもP-Core×6+E-Core×8の14Core/28Thread構成がハイエンドであった。今回発表されたHX PlatformはDesktop向けと同じく、P-Core×8+E-Core×8の24thread構成をサポートするものとなっている(Photo01)。I/Fに関してもDesktop向けとほぼ同じ(Photo02)であって、要するにDesktop向けのものをLGAで提供した、という構成である。当然ながらPCHはオンパッケージでの提供は出来ず、別チップとして接続となっている。
ちょっと説明の順序が逆になるが、このHX Processorがターゲットとするのは、Mobile WorkstationだけでなくEnthusiasts、つまりPremium Gaming Notebookもターゲットになっている(Photo03)。Desktopと同じく最大128GBのメモリ容量やECCサポート、PCIe Gen5/RAIDサポートなどが提供されており、非常に高性能なWorkstationが構築できる事になる。逆に言えば、HX Processorの特徴をフルに生かそうとすると色々な周辺機器や拡張カード類が必須になる訳で、必然的に小型化は難しいというか無理である。Workstation向けの、最低でも15inch以上で厚みも1inch近い大型ノート向けとなる訳だ。
実際にワークステーション向けの処理ということで、SPECintの性能を比較したのがこちら(Photo05)。Cpre i9-11980HKを基準としたもので、RembrandtベースのRyzen 9 6900 HKと比較しても十分高速としている。他にBlenderやCrossMark(Photo06)、AutoCAD/Revit/Inventorなど現実的なワークロード(Photo07)、様々な科学技術系計算(Photo08)などで、何れも最高速であるとしている。またUnreal EngineとBlenderを組み合わせた処理が、Core i9-11980HKと比較してそれぞれ4倍/1.7倍高速としている。
またDiscrete GPUを組み合わせた場合には高いフレームレートを実現しており、Gaming Mobileとしての性能も十分であるとしている(Photo10)。またこのHXプラットフォームは、Kシリーズと同様にコア/メモリのOverclockが可能になっている(Photo11)。
Photo12がそのHX Processorのラインナップ一覧である。当然コア数が増えている分、TDPというかBase Powerは55W、Max Turbo Powerは155Wに達している。Desktop向けのBase 125W/Max Turbo 241W(Core i9-12900K)に比べれば可愛いとも言えるが、Mobile向けとしては破格の消費電力であって、これに対応する電源と冷却機構を収めるのが一苦労だろう。またDesktopと同じダイを使う関係か、GPUは全て32EUとなっている。Discrete GPUを組み合わせるのが前提だからこれで十分ともいえるが。まずは6メーカーから10製品がHX Processor搭載製品として現時点ではラインナップされている(Photo13)。