中国のスマートフォンメーカー「Honor」は2022年2月にスペイン・バルセロナでカメラを強化したスマートフォン「HONOR Magic4」シリーズを発表しました。1月には折りたたみスマートフォン「HONOR Magic V」も発売しており、スマートフォン市場で存在感を高めつつあります。

  • Honorの折りたたみスマホ「HONOR Magic V」

    Honorの折りたたみスマホ「HONOR Magic V」

Honorというメーカーの名前はなんとなく聞いたことがある人もいるかもしれません。実はHonorは元々ファーウェイのスマートフォンのサブブランドでした。日本では過去に「Honor 9X」「HONOR 20 Pro」が発売されました。日本以外の国ではそれ以外にも多数のHonorブランドのスマートフォンが発売されましたし、中国ではファーウェイとは完全に独立したブランドとして基盤を固めていきました。

2019年にアメリカ政府がファーウェイに制裁を与えたことで、Honorはファーウェイから独立。新しいメーカーとして2021年から本格的な展開を始めています。グローバルではまだ製品数は少ないものの、中国では2021年第4四半期にAppleに次ぐ2位になるなど、存在感を急激に高めています。

  • HONOR Magic4 Pro

HONOR Magic4シリーズはワールドワイドにHonorの名前を広めるためのフラッグシップモデルという位置づけで、チップセットはSnapdragon 8 Gen 1を搭載。グローバルには「5,000万画素+5,000万画素+800万画素」カメラのHONOR Magic4、「5,000万画素+5,000万画素+6,400万画素+深度測定」カメラのHONOR Magic4 Proが発売。中国では最上位モデルとして「5,000万画素+5000万画素+6,400万画素+6,400万画素+深度測定」カメラのHONOR Magic4 Ultimateも登場しました。3つのモデル、どれも5,000万画素カメラを2つ以上搭載しており、カメラ性能に関してはサムスンやAppleの製品を大きく上回っています。

  • HONOR Magic4 Proのカメラ。5,000万画素2つに6,400万画素も1つ搭載する

3モデルともディスプレイは6.81インチですが、HONOR Magic4は2,664x1,224ピクセル、上位2つのモデルは2,848x1,312ピクセルと、より高解像度になっています。またバッテリーはHONOR Magic4が4,800mAhで66W高速充電対応、上位2モデルは4,600mAhで100Wの高速充電が行えます。満充電に必要な時間は30分とのこと。この辺りもかなり高性能です。

  • ディスプレイは高解像度、バッテリーは高速充電に対応

このようにスマートフォン本体もカメラも高性能なHONOR Magic4シリーズですが、3機種ともにフロントカメラ性能も高く、美しいセルフィーの撮影も可能です。すべてのカメラに妥協しない、これがHONOR Magic4シリーズの最大の特徴と言えそうです。

  • HONOR Magic4 Proで撮影したセルフィー

ところでHONOR Magic4シリーズのカメラのユーザーインターフェースを見ると、横向きにしたときに下側に倍率表示が並ぶなど、ファーウェイのスマートフォンとほぼ同じになっています。ファーウェイからHonorが分離するときには技術者も一部移籍しており、プラットフォームはファーウェイと共通の部分もまだ多いのでしょう。またHONOR Magic4シリーズの円形のカメラデザインはファーウェイの「Mate」シリーズによく似ています。ファーウェイのスマートフォンは現在年に数機種しか出ておらず、Googleサービスが載っていません。「Googleが使えるファーウェイ技術のカメラフォン」が欲しい人にとって、これからはHonorがその代わりになりそうです。

  • カメラはファーウェイと同等のUIを搭載している

なお各モデルの価格はHONOR Magic4が899ユーロ(約12万1,000円)から、HONOR Magic4 Proは1099ユーロ(約14万8,000円)から、HONOR Magic4 Ultimateは7,999元(約15万4,000円)からとなっています。

さてグローバルでの発売が期待されているモデルが折りたたみのHONOR Magic Vです。開くと7.9インチ、閉じると6.45インチのディスプレイを搭載しており、こちらもチップセットはSnapdragon 8 Gen 1と最高スペックのものを搭載。カメラは5,000万画素を3つと、各社の折りたたみスマートフォンの中でも最高画質の組み合わせ。フロントカメラも4,200万画素で、4つのカメラの合計は2億画素弱になります。

  • HONOR Magic Vはカメラ性能も高い折りたたみスマートフォンだ

HONOR Magic Vの価格は9,999元、約19万3,000円であり、折りたたみスマートフォンの中でもそれほど高くはありません。グローバル市場に出てくればサムスンの大きなライバルになることは間違いないでしょう。

  • 折りたためば細身のサイズとなる

Honorは日本には参入していませんが、本体の仕上げ、性能、カメラスペックのいずれを見ても日本人は納得するでしょう。今回紹介したHONOR Magic4やHONOR Magic Vなどのハイエンドモデルをぜひ日本で発売してほしいと思います。