東京電力グループは3月22日、公式トップページ上に「3月22日の電力の需給状況と節電へのご協力のお願いについて」と題したバナーを掲出し、節電への協力を呼びかけている。同日、経済産業省は初めて「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を発令した。

  • 電力使用状況の実績値は100%を超過

3月16日に福島県沖で最大震度6強を観測した大きな地震により、福島県に所在する火力発電所が被災。新地発電所では石炭の陸揚げ設備が破損して復旧の目処が立っておらず、東北電力の原町火力発電所も大きな揺れで動作を緊急停止した。その後の調査でボイラーや燃料用設備の損壊が判明し、こちらも復旧の目処が立っていない。

発電所の被災に加え、22日午後にかけて東日本では冷え込みが強まっている。これによって暖房需要が高まる見込みで、東京電力パワーグリッドはお知らせの中で「電力の安定供給を維持すべく努めておりますが、本日の電力需給は極めて厳しい見通しであり、引き続き精査中ですが、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できない見通しとなっております」と述べており、「ご家庭や職場などにおいて、不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなど、節電にご協力いただきますようお願いいたします」と節電への協力を呼びかけている。

  • 電力使用見通しは100%に到達し、「非常に厳しい」評価へ

  • 夕方に向けてさらに電力消費が増加し、より供給状況は厳しくなる予想

残存する発電所に加え、揚水発電所も運転中。揚水発電所は夜間に電気を使って水を汲み上げておき、出力が高まる昼間に発電を行うというもので、同社サービスエリア内で全供給力の約20%を担っている。記事制作時点での発電可能残量は79%で、夕方にかけてさらに電力消費が増加すると上部調整池の水(汲み上げておいた水)を使い切る可能性もあるという。

東京電力パワーグリッドでは電力使用見通しを「でんき予報」ページで公開中。停電情報もリアルタイムで公開されている。