MMD研究所は3月11日、「2022年3月通信サービスの利用動向調査」のレポートを発表した。スマートフォンユーザーの約9割がMNOを利用しており、乗り換え検討者の候補としては楽天モバイルが最多となった。
MNO(オンライン専用プラン/サブブランド含む)利用者が約9割
まず、調査対象となった18~69歳の男女40,000人のうち、スマートフォンを主に利用している36,282人に、メイン利用の通信サービスを質問した。
MNO4社(NTTドコモ/KDDI/ソフトバンク/楽天モバイル)のメインブランドとサブブランド、オンライン専用プランを合わせると90.1%に達した。MVNOのメイン利用は9.9%に留まる。
2台持ちなどのサブ利用をしている3,646人に利用サービスを聞くと、MVNOの利用率は16.4%に上がった。サブ利用ではコストの低さやプランの柔軟性をより重視した選択がなされているとも解釈できるが、「サブ利用の回線がある」という集団自体がやや特殊なため、単に幅広い選択肢を知った上で検討しているユーザーが多いとも受け取れる。
なお、メイン利用のMVNOシェアは2019年までは増加傾向にあり、2019年9月の調査では13.2%に達した。ahamoなどのオンライン専用プランの登場後初となる2021年11月の前回調査では9.3%まで落ち込んだが、今回は9.9%とわずかに回復している。
オンライン専用プランは「同じ会社のメインブランドから移行」が多数派
オンライン専用プラン(ahamo/povo/LINEMO)、サブブランド(ワイモバイル/UQ mobile)、新規参入の楽天モバイルをメイン利用しているユーザーに、乗り換え前に利用していた通信サービスを聞いた。
3社のオンライン専用プランのうち、ahamo(ドコモ)とpovo(au)は同じ会社のメインブランドから移行したユーザーが8割前後と大多数を占めている。LINEMO(ソフトバンク)はソフトバンクから48.3%、ワイモバイルから9.3%と同系列の中での移動が比較的少なく、他の大手キャリアやMVNOからもユーザーを取り込めているようだ。
サブブランドもオンライン専用プランと同様に、同じ会社のメインブランドからの乗り換えが多いが、店舗網を持つ販売力の違いや露出の多さからか、オンライン専用プランよりは他キャリアからの移行率も高い。
乗り換え先に検討したいキャリア1位は「楽天モバイル」
楽天モバイル(MNO)をメイン利用しているユーザーの移転元は、ドコモが15.1%、auが15.0%、ソフトバンクが10.4%、MVNOが46.1%。「Rakuten UN-LIMIT VI」という1種類のみの料金プランでありながら、大手キャリアユーザーとMVNOユーザーのどちらから見ても乗り換えに値する魅力が感じられているようだ。
乗り換え検討段階の人々にも同様の傾向が見られる。プラン変更や乗り換えを検討している12,349人のうち、具体的な候補を決めている人は9,210人。そのうち、乗り換え先候補として最も多く挙げられたサービスは楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)で20.9%だった。
「2022年3月通信サービスの利用動向調査」の概要
- 調査期間:2022年2月14日~16日
- 有効回答:40,000人
- 調査対象:18~69歳の男女
- 調査方法:インターネット調査
- 集計方法:アンケート調査により回収されたサンプルを人口構成比に合わせるため、ウェイトバック集計を実施