韓国サムスン電子は、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC Barcelona 2022」にあわせて、ノートPCの新製品「Galaxy Book」シリーズを発表した。「Galaxy Book2 Pro 360」、「Galaxy Book2 Pro」などが発表され、性能面に加えてスマートフォンやタブレットなどとの連携機能の充実をアピールする。

  • Galaxy Book2 ProとGalaxy Book2 Pro 360

Galaxy Book2 Proは、コンバーチブル型の360と通常のクラムシェル型の2種類が用意され、ディスプレイサイズはそれぞれ15.6インチと13.3インチが提供される。基本的なスペックは同等だが、細かい部分に色々な差異がある。

  • コンバーチブル型の2in1モデルも用意

  • 画面サイズは、いずれも15.6インチと13.3インチの2種類を用意する

Galaxy Book2 Proは、13.3インチモデルが304.4(W)×199.8(H)×11.2(D)mm、870gと薄型軽量。同15.6インチは内蔵グラフィックスモデルで355.4(W)×225.8(H)×11.7(D)mm、1.11kg、外部グラフィックスモデルで355.4(W)×225.8(H)×13.2(D)mm、1.17kg。ディスプレイはAMOLEDで、解像度はFHD(1,920×1,080ドット)、メモリーは8GB~32GB、ストレージは最大1TB。

コンバーチブル型のGalaxy Book2 Pro 360は、13.3インチモデルが302.5(W)×202(H)×11.5(D)mm、1.04kg。同15.6インチモデルが354.85(W)×227.97(H)×11.9(D)mm、1.41kg。ディスプレイはSuperAMOLEDで、解像度はFHD。Proモデルとは異なりSuperAMOLEDを採用するため、最大輝度500nit、コントラスト比100万:1、色域がDCI-P3比120%と、より豊かな色表現を実現している。メモリは8GB~32GB、ストレージは256GB~1TB。Proモデルとの大きな違いは、Sペンに対応して手書き入力をサポートしている点だ。

  • Galaxy Book2 Pro 360はSペンによる操作、手書き入力が可能

いずれも第12世代インテルCore iプロセッサを採用しており、パフォーマンスは前モデルに比べて1.7倍高速化したという。グラフィックスはIris Xeを採用し、Proモデルの15.6インチのみ、外部グラフィックスとしてIntel Arcを搭載可能。これらの性能向上によって、ゲームも快適に動作し、Adobe Photoshop Lightroomのような画像編集も高速に処理できる。

  • パフォーマンスは1.7倍に向上

堅牢なセキュリティ機能を搭載しており、Microsoftが提唱する「Secured-core PC」の基準を満たし、金融や政府など高いセキュリティが必要な業界でも利用できる強力な保護機能を備えているという。ソフトウェアとハードウェアの双方で多層防御が用意され、指紋センサーも個別のプロセッサで保護されるなど、安全性を高めているそうだ。

  • 強力なセキュリティ機能を備えたSecured-core PC

  • 多層的な防御システムが用意されているという

他人とファイルを共有するための機能として、Private Share機能を搭載。すでにGalaxyスマートフォンでは搭載されている機能で、ブロックチェーン技術を使ってスマートフォン、タブレット、PCとの間で安全にファイルを共有できる。有効期限の設定も可能だ。

Galaxyスマートフォンとの連携機能も充実。スマートフォンに搭載されているUIと同じ「One UI Book 4」を採用し、Galaxyスマートフォンユーザーには見慣れたUIで操作ができる。「Galaxy Book Experience」は、Galaxy Book上でスマートフォンのGalaxyアプリを利用でき、GalleryアプリやGalaxy Notesアプリなどを起動することが可能。

  • スマートフォンのUIに近いOne UI Book 4を採用

  • Galaxy Notesのようなスマホアプリを起動可能

  • Microsoftのスマートフォン連携アプリ「スマホ同期」ももちろん利用可能。特に、Galaxyスマートフォンとの連携機能が強力

  • PCのタスクバー上からスマートフォンの最近使ったアプリをPC上で起動できるほか、同じアプリがPC向けにもある場合、PC用アプリで最後に使ったファイルを開くことも可能になっている

「Galaxy Book Smart Switch」では、メーカーを問わず、古いPCから新しいGalaxy Book2にデータを転送できる機能。スマートフォンの機種変更時のような操作が可能だ。Galaxy製品の位置情報を保管し、紛失時などに検索できるSmartThings Findにも対応する。

タブレットとの連携機能では、Galaxy Book2 ProのキーボードとトラックパッドをGalaxy Tab S8と共有する「Samsung Multi Control」を搭載。PCのキーボードを使ってタブレットで入力を行ったり、PCとタブレットのデータを相互にドラッグ&ドロップするといった操作もできる。

  • タブレットの入力にPCのキーボードを利用できる

  • 置き忘れたPCなどを発見できるSmartThings Findに対応

通信機能では、Wi-Fi 6EやBluetooth 5.1に加え、Galaxy Book2 Pro 15.6インチのみオプションで5G対応のモバイル通信機能を選択できる。発売は4月で、価格はGalaxy Book2 Proの13.3インチモデルが1049.99ドル(約121,400円)から、同360が1,249.99ドル(約144,400円)からなどとなっている。

  • Galaxy Book2 Proのおもなスペック

  • Galaxy Book2 Pro 360のおもなスペック

  • 価格の一例

同時に、同じく第12世代インテルCore iプロセッサを搭載し、Intel Arcグラフィックスや最大2TBのストレージを搭載可能な「Galaxy Book2」「Galaxy Book2 360」、vProをサポートし、GeForce MX570 AやLTE通信を搭載可能な法人向けモデル「Galaxy Book2 Business」も発表。ラインナップが強化された。

  • Galaxy Book2の主なスペック

  • Galaxy Book2 360の主なスペック

  • 法人向けのGalaxy Book2 Business

  • それぞれの価格例