米Googleは2月15日(現地時間)、Windows PCやMacをChrome OS化する「Chrome OS Flex」のアーリーアクセスプログラムを開始した。2020年12月に買収した米Neverwareの「CloudReady」の技術を用いており、ビジネスや教育機関向けにChrome OS Flexを構築した。

Chrome OSは低スペックなハードウェアでも軽快に動作し、クラウドサービスとの連携、簡単なデバイス管理と堅固なセキュリティといったモダンな機能を提供する。Chrome OS Flexは、そうしたクラウド優先のOSであるChrome OSの長所をWindows PCやMacで利用できるようにする。最新のWindowsやmacOSにアップグレードできない、またはアップグレードすると動作が遅くなるような古いハードウェアを活用していくソリューションになり得る。

最小のシステム要件は以下の通り:

  • IntelまたはAMD x86-64
  • RAM:4GB
  • 内蔵ストレージ:16GB
  • USBポート

Intel GMA 500/600/3600/3650は、Chrome OS Flexのパフォーマンス条件を満たさない。また、2010年より前のプロセッサやグラフィックスでは乏しい体験になる可能性があるという。Googleは安定した動作を確認したデバイスのリストを公開している。

導入の際には、USBドライブ(8GB以上)を使ってブータブルなChrome OS Flex USBドライブを作成。インストールする前に、USBドライブからChrome OS Flexを起動して試用できる。インストールすると、OSがChrome OS Flex に置き換えられる。

Chrome OSと同様、Chrome OS Flexは数秒で起動。バックグラウンドでシステムアップデートを実行し、常に最新の状態を保つ。デバイスとクラウドの隔たりを感じさせないユーザー体験でWebアプリケーションを快適に利用可能。定期的なセキュリティアップデート、特定のタブやアプリに脅威の可能性を閉じ込めるサンドボックス技術、Googleセーフブラウジングなどによって、ユーザを脅威からプロアクティブに保護する。500以上のポリシーや管理を適用する大規模な企業や教育機関でも、Googleが用意したプリセットを活用して簡単に運用を開始できる。USBまたはネットワーク経由でChrome OS Flexをデバイスにインストール、ユーザーがログインしたらクラウドプロフィールに基づいて、設定、ブックマーク、利用ポリシーなどが同期される。

Chrome OS Flexのページでアーリーアクセスプログラムの参加受け付けが始まっているが、アーリーアクセスはDevチャネルでの提供であり、現段階ではバグや動作の問題が発生する可能性がある。数カ月中に安定版の提供を開始する予定で、安定版に到達したらCloudReadyの顧客が無料でChrome OS Flexにアップグレードできるようにする。