毎年2月に、「Safer Internet Day(セーファーインターネットデー)」という、インターネットの安全な利用環境の実現に向けた活動が行われる日があるのをご存じでしょうか。2022年は2月8日がこのSafer Internet Dayとなり、Instagramではこの日に合わせてInstagramの安全な使いかたを紹介するキャンペーンを実施しています。このキャンペーンに参加しているクリエイターの“のえのん”さんに、今回のキャンペーンやSNSの安全な利用についてお話をうかがいました。

  • のえのんさん

    のえのんさん。Instagram/YouTubeで活動しています

小学生のころからYouTubeやInstagramで活動

のえのんさんは、2015年ごろからYouTubeやInstagramを中心に活動している動画クリエイター。妹さんといっしょに、ファッションやメイク、ヘアーセットなどの動画を投稿しています。当初はInstagramでは写真の投稿をしていたそうですが、現在ではInstagramでも動画を投稿することのほうが多いとのこと。同じ動画投稿でも、InstagramとYouTubeでは好まれる内容が違うそうで、それぞれに反応のよいものを探っていった結果、現在は「YouTubeは日常を切り取ったようなもの。Instagramはメイクやヘアーセットを短時間で教えてあげるような、真似してもらえるような動画」が中心となっているそうです。

動画投稿をはじめようとしたころ、まだ小学生ということもあってお母さんからは「ちょっと早いんじゃない?」という反対もあったようですが、のえのんさんの気持ちは揺らぐことなく活動を開始(Instagramは、保護者がアカウントを管理することで、小学生でも利用できます)。いまではお母さんも応援してくれているといいます。

「SNSって、説明書がないもの」

日々の投稿にあたってのえのんさんが注意しているのは、まず「場所がばれないように」ということだそうです。Instagramのストーリーズのように構えずに投稿できるものではとくに、「日常を発信しつつ、自分の安全を守る」ことが大事。また、言葉遣いや発言も、他のクリエイターが炎上しているのを見たら同じことはしないように注意するなど、ひとつひとつ気をつけるように妹さんとも話しているそうです。

「ギリギリを攻めたほうが面白い動画になったりはするんですけど、最近は『え、こんなものでも炎上しちゃうの!?』というようなことも多いので、そういうのを見てからは本当にひとつひとつ気を付けていますね」とのえのんさん。そんな慎重さが功を奏してか、これまで自身で深刻な炎上やトラブルを経験したことはないそうですが、それでも心ないコメントが寄せられることはあるといいます。

  • のえのんさん2

    いっしょに活動している妹さんとともに、投稿にあたっては十分注意をしているそうです

「SNSって、説明書がないものだと思うんです。いろいろな情報があっても、それが正しいかどうかはわからない。そんな中で自分も投稿してきたので、ふりかえると『大丈夫だったかな?』と不安になることもあります」とご自身がSNS投稿を始めたころのことを振り返るのえのんさん。当時はやはり十分にSNSの安全な使い方を知っていたわけではなかったようで、現在のSNSについてのさまざまな情報発信を見て、「自分もこういうSNSについての情報を知りたかった」と感じているそうです。

Instagramを安心・安全に使う機能があるから、自分らしさを表現できる

今回、Safer Internet Dayに合わせてInstagramが実施するのは、Instagramを安心・安全に使うための機能をクリエイターがリール動画で紹介するというキャンペーン。のえのんさんが制作した動画は、嫌がらせコメントやDMを防ぐための「非表示ワード設定」「制限機能」を紹介するものとなりました。「非表示ワード設定」はワードやフレーズを事前に設定しておくことで、それらを含むコメントを非表示にするもの。「制限機能」は、ブロック/フォロー解除は行わないが、自分が承認しない限り相手のコメントが非表示になるなど、やり取りを制限するという機能になります。

  • 動画サムネール

    のえのんさんが投稿したのは、「非表示ワード設定」「制限機能」のふたつを紹介する動画

のえのんさんがこれらの機能を紹介したいと考えたのは、「SNSを、自分らしさを表現しやすい設定で使ってもらいたい」という気持ちから。Instagramへ投稿した内容に対してネガティブなコメントが寄せられれば受け取った側は傷つきますが、「非表示ワード設定」機能を利用すればそういったコメントやDMを目にせずにすみます。また、やりとりを控えたい相手をブロックすることは相手を刺激することにもなってしまいますが、「制限機能」を使えば相手にはそれを知らせずにコミュニケーションを抑制することができます。

つまり、これらの機能は、相手とのコミュニケーションを調整することで、投稿者の側が心に負担を抱えずに投稿を続けていくために役立つ機能です。こういった機能を上手に利用することで、Instagramでもっと自分らしく表現してほしい――というのが、のえのんさんがこれらの機能を紹介した理由だといいます。

なお、今回のキャンペーンでは、のえのんさん以外にも4人のクリエイターが参加しています。のえのんさんも他のクリエイターさんの動画はまだ見ていないものの、それぞれがどんな内容になるかは聞いているそう。中にはのえのんさんが知らなかった機能を取り上げた動画もあるようで、「私も今回のキャンペーンで学びました」と話していました。

Instagramの安全な使い方について考える「#インスタANZENカイギ」

さて、今回のキャンペーンは冒頭のとおり2月8日のSafer Internet Dayにあわせて展開されるものですが、のえのんさんはInstagramの安全な使い方について考えるプロジェクト「#インスタANZENカイギ」にも参加しています。

「#インスタANZENカイギ」の活動でのえのんさんが「しっかり伝えられた!」と印象に残っているというのが、デジタルリテラシー教育プログラム「みんなのデジタル教室(We Think Digital)」。このプログラムでは、中高生に向けたデジタル教材動画として、Instagramを安心・安全に使うための機能や対処法を発信したそうですが、対象がのえのんさんの動画のファン層と重なっていたこともあり、この動画を学校で観た人たちから「今日、授業でのえのんちゃんが出てきたよ!」といった反応もたくさんもらったそうです。

「#インスタANZENカイギ」は、啓発・情報発信の場となるだけでなく、のえのんさんをはじめとする参加クリエイター同士での情報交換もでき、普段の活動での悩みの解消にもつながったとのこと。発信された情報に触れるInstagram利用者だけでなく、参加クリエイターにとっても実りのある活動になっているようです。

  • のえのんさん3

    「SNSで情報を発信する皆さんには、自分らしさを出してほしい」というのえのんさん

「SNSで情報を発信する皆さんには、自分らしくあってほしいし、自分らしさを出してほしい。今回の動画で紹介したような機能でより安心・安全な環境を作ることが、その助けになると思いますので、ぜひ動画を観ていただきたいと願っています」というのえのんさん。SNSで情報を発信する本人だけでなく、それを見守る周囲の人々にも、「未成年の方などがSNSをやってみたいと言い出したら、保護者の方にもいっしょにやってみてほしいです。保護者の方にもいろんな機能を知っていただいて、Instagramマニアになっていただけたらなと思います」と話していました。