かつては容量の多さをアピールしていた個人向けの無料オンラインストレージサービスは、いまや選択肢が激減している。特に、個人またはベンチャーが運営するサービスは、大容量をサポートするサービスは、ほぼ絶滅状態にあるといっていい。

その背景にあるのは、Microsoft 365登録ユーザ向けに1TBを無料提供しているOneDriveをはじめ、リーズナブルな価格で大手がオンラインストレージの提供を始めたことが一因だろう。かつては多数あった10GBを超える無料オンラインストレージは、その容量だけで希少な存在となりつつある。

今回はそんな状況のなか、無料で多くの容量が使えることを売りにした、3つのオンラインストレージサービスを紹介する。いずれのサービスも、有料プランが比較的リーズナブルな価格で提供されているので、使ってみて気に入ったら、ぜひそちらもチェックしてみてほしい。

「MEGA」 - 初期容量20GB、条件達成で50GB

MEGA」は、ニュージーランド発のオンラインストレージサービス。初期容量は20GBで、アプリのインストールや電話番号の追加などいくつかの条件をクリアすると最大50GBまで無料で使えるようになる。

UIは日本語化されているほか、PCやスマホなどマルチデバイス対応、さらにエンドツーエンド暗号化にも対応していることが特徴。

その一方で無料版は転送量制限が3GBと、容量の多さからするとややタイトなほか、一定期間使用しないと定期的にメールで督促をかけてくるなど、利用頻度が低いユーザにとってはわずらわしく感じる挙動も。

有料プランは2TBあたり月1312円で、こちらは転送量の制限も月間2TBに緩和される。

  • MEGA。インタフェースが日本語化されていることがうれしい。初期容量20GBだが、条件をクリアすることで50GBまで無料で拡張できる

「Degoo」 - 初期容量100GB、友達招待で最大500GB

Degoo」は、スウェーデン発のオンラインストレージサービス。アカウント作成直後から特に条件もなく100GBもの無料ストレージが使えるサービスは、今日では貴重な存在だ。

さらに友達一人の招待につき5GBずつ、最大500GBまで無料の容量を増やすこともできる。有料プランも500GBで月2.99ドル、10TBで月9.99ドルと格安だ。

国内での知名度はそれほど高くないが、サービスのUIも日本語化を果たしており(ただしウェブサイトやアカウント画面、ヘルプなどは日本語非対応)、PCやスマホなどマルチデバイスにも対応している。

写真の一覧表示に向いたタイル状のサムネイル表示など、後発だけあってスマホネイティブなデザインが特徴だ。

  • Degoo。アカウント作成のみで100GBという大容量の無料ストレージが使えることが魅力

「TeraCLOUD」 - 初期容量10GB、友達招待で最大1TB

TeraCLOUD」は、国産のオンラインストレージサービス。無料容量は最大10GBと前述の2サービスより控えめだが、国産かつサーバも国内ゆえ安心感がある。

また友達一人の招待につき5GBずつ、最大1TBまで無料の容量を増やせるほか、有料プランも3TBあたり月1,320円と安価なため、容量重視の利用に向く。

WebDAVでの接続となるためUIはやや癖があるほか、スマホは専用アプリがなく、ブラウザもしくはWebDAV対応アプリ経由での利用となることから、写真の自動アップロードなど専用アプリならではの機能は用意されない。

WebDAVの汎用性を活かした、PCからの利用を主眼に置いたサービスと言えそうだ。

  • TeraCLOUD。友達の紹介で最大1TBまで容量を増やせる(追加された容量は1年間有効)。PCからの利用を前提としたサービスだ