カプコンは10月14日、Steam版『モンスターハンターライズ』の体験版を配信開始しました。極めて高品質なグラフィックスを実現した前作『モンスターハンター:ワールド』に続く2つめのPC対応タイトルとなっており、正式リリースは2022年1月13日を予定しています。というわけで、今回はこの体験版をプレイ。モンハンシリーズは『ワールド』ぶりですが、まさかこんなに苦戦するなんて……。

  • ガッツリ遊べる体験版をPCで遊んだ

『モンスターハンターライズ』は、既にNintendo Switch向けに発売中の同シリーズ最新作。これまでのモンハンシリーズと大きく異なるのは、「翔蟲(かけりむし)」という要素が導入されている点です。グラップリングフックのように使って素早い移動が行えるほか、全14種の武器ごとに固有の「鉄蟲糸技(てっちゅうしぎ)」なる技が追加。必殺技のような爽快アクションが楽しめます。さらに鉄蟲糸を応用することで、モンスターに騎乗して操作できるようになる「操竜(そうりゅう)」アクションも搭載。操竜ゲージを貯めることで強力な「操竜大技」を繰り出し、モンスター特有の圧巻の攻撃が行える…と特設ページで説明されています。

体験版で用意されているクエストは初心者向けの「オサイズチ討伐」、上級者向け「タマミツネ討伐」、熟練者向け「マガイマガド討伐」の3種類。初心者向けの練習コンテンツも充実しており、新要素の使い方を「ウツシ教官」から学べるチュートリアルが2種類用意されています。とにもかくにもチュートリアルはまどろっこしいので、さっそく初心者向けの「オサイズチ討伐」にチャレンジしてみました。

  • 既に別ハードでも発売されているということもあり、体験版で遊べるクエストは中級者向けをスキップしたやや高難易度なラインナップになっています

新アクションはとりあえず押すボタンさえわかればすぐ使える親切設計

さっそく狩猟に繰り出しましょう。体験版では14種類の武器を全て選択でき、あらゆるアクションを正式リリース前に体験可能。防具はそれぞれに応じたものがあらかじめセットされています。筆者は複雑なコンボ入力が苦手なので、ここでは片手剣を選択。Yボタンを連打すればなんとか攻撃でき、盾を構えれば抜刀中にアイテムを使えるところもお気に入りです。

  • 武器は14種からすべて選べるようになっています

  • おなじみの笛の音でキャンプ地に到着。いつも狩りについてきてくれるオトモアイルーに加え、新しいパートナー「オトモガルク」が随伴しています

  • 鎌鼬竜「オサイズチ」に接敵。左手に握った武器でどんどん攻撃していきます

  • タル爆弾を使ったりして…

  • 討伐完了

シリーズをこれまで遊んできた手癖そのままで挑みましたが、初心者向けのオサイズチは特に問題なく討伐できました。ありがたかったのは戦闘中、ウツシ教官があれこれ教えてくれるところ。状況に応じて的確なアドバイスを投げかけてくれる上、モンスターに騎乗して戦う新アクション「操竜」のチャンス時には押すべきボタンも教えてくれました。チュートリアルをすっぽかした横着なハンターでも、新アクションをしっかり楽しめるというわけです。

  • 回復アイテムの使用をリマインドしてくれるウツシ教官

  • モンスターが「怒り」状態に入ったことを教えてくれるウツシ教官

  • 特に助かったのが、「操竜」を行えるようになったタイミングを教えてくれたところ。初見ではただダウンしているだけかと思っていました

戦闘中は事あるごとにウツシ教官があれこれ教えてくれることもあり、新アクションを含むさまざまな操作を体験できましたが、それでも何がどうなっているのかよくわからないシーンもありました。というのもその新アクションの1つ、「操竜」がよくわからず、ボタンを適当に押しまくって終わってしまったため。さっきはスキップしたチュートリアルに戻り、ウツシ教官に1on1でみっちり教えてもらいました。

  • “蟲”の導入でモンハンシリーズはこれまでにない路線で独自の発展を遂げてきました

  • 「鉄蟲糸技」を発動! 全武器種にそれぞれ固有のアクションが用意されています

  • ウツシ教官の教えによると、なんとこのオトモガルクに乗って移動できるとのこと。もうマップ移動にスタミナ消費すら必要なくなっているという時代

  • 完全武装のハンターを軽々背負ってひた走るガルク。ツタのような壁面でも速度を落とさず駆け上がれました

  • よくわからなかった「操竜」システムも、ウツシ教官に教えてもらって大体わかりました。かんたんに振り落とされるわけでもないようで、焦らず操作すればよさそう

『モンハンライズ』については事前に少し聞き及んでいましたが、個人的に印象に残ったのはさまざまな要素の簡略化です。マップをちらっと見れば狩猟対象の位置がしっかり表示されているため、「千里眼の薬」を飲んだり「ペイントボール」を投げつけるどころか、「導蟲」を追いかけることすら不要に。採取は一瞬で終わるようになっていました。

  • 採取はとても楽。ボタンをポチっと押すだけで…

  • 「げどく草」を一瞬で上限まで採取できました。『ワールド』にもあった自動調合がとても便利です

グラフィックはなかなかキレイ。高fpsでもらくらくプレイ可能

筆者のPC環境はRyzen 9 3900 XT、32GBメモリ、GeForce RTX 3080 Tiというかなり高性能なものですが、『モンハンライズ』ならもっとシビアなハードウェア構成でも余裕でプレイできそう。第11世代以降のIntel Coreプロセッサの内蔵グラフィックスでも動作するように開発が進められているとのことで、場合によってはゲーミング仕様ではないPCでも遊べると思います。設定項目も必要なものが一通り揃っており、快適なプレイ環境を構築できました。

  • WQHD解像度でプリセット「高」を選択

  • 昨今のグラフィックスカードなら6GB以上VRAMを搭載しているものが大半なので、高画質設定でのグラフィックスメモリの消費はあまり問題にならなさそう

  • 高fpsディスプレイをしっかり活かしつつ、過剰にフレームレートを出さないよう制限できるようになっている素晴らしい設定項目も用意されています

WQHD解像度の「高」でも常時130fpsを余裕で超える快適なパフォーマンスでしたが、やっぱり『ワールド』ほど美麗なグラフィックとはいきません。ここはよりシビアな性能のゲームハードでまず展開されていたということもあり、致し方ないところ。

  • テクスチャや水、エフェクトは十分にキレイですが、高性能ハード向けだった『ワールド』ほどの感動はないという印象。アップになるとやや気になります

  • 被写界深度のエフェクトはちょっとやりすぎかも(設定でオフにできます)

「タマミツネ」には勝てなかった。製品版発売は2022年の年始!

なお、初心者向けクエストやチュートリアルを完遂して意気揚々と「タマミツネ」討伐に挑んでみたところ、3回倒されてクエストに失敗しました。片手剣はダメなのかな? と思って得意な太刀で挑むも惨敗。装備はちゃんと討伐できるように設定されているはずなので、単純に筆者が下手ということがわかりました。

上述しましたが、体験版には「タマミツネ」に加え、熟練者向けクエストとしてさらに強そうな「マガイマガド」もプレイできます。筆者は倒せる気がしませんが、腕に覚えのあるハンターは正式リリース前に充実の難易度を備えた体験版を遊んでみてはいかがでしょうか。

『モンスターハンターライズ』のSteam版は、2022年1月13日に発売予定。さらに大型拡張パッケージ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』の発売も2022年夏以降に控えています。体験版の公開から正式版リリースまでまだ少し時間はありますが、新要素に慣れるにはちょうどよいタイミング。翔蟲による鉄蟲糸技をマスターし、きたるリリースに備えましょう。

  • 泡を吐き、地面をぬるぬる滑って移動するタマミツネに大苦戦。どの攻撃も見切れずボコボコにされました。特に凶悪だったのが、前方の幅広い角度に発射してくるブレスです。今思えば、あれこそ翔蟲アクションの「疾翔け」で避けるべきだったのでしょうか。跳んで避ける発想がなくて……

  • 泡が浮かぶ泥水に沈む筆者

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