ソフトバンクは10月19日、スタンドアローン(Stand Alone)方式による5G(第5世代移動通信システム)の商用サービス(5G SA)の提供を開始すると発表した。同社によると、スタンドアローン型5Gの商用サービスの提供は国内で初だという。

5G SAは、これまで同一のネットワークによる実現が困難だった超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続の通信を実現する。従来の4Gコア設備と5G基地局を組み合わせたシステム構成のノンスタンドアローン(Non Stand Alone)方式による5Gサービス(5G NSA)とは異なり、新たな5G専用コア設備と5G基地局を組み合わせた技術を活用する。

  • 5G NSAと5G SAのネットワーク構成の違い

5G SAの最大の特長は、一つのネットワークを仮想的に分割する技術「ネットワークスライシング」や企業のニーズに合わせてカスタマイズしたネットワークサービスであるプライベート5Gなどの技術をベースにした通信機能を提供できることだ。

スライスされたネットワークは高速大容量のデータダウンロード、自動運転に必要な低遅延、複数デバイスでの多接続など、異なるさまざまな要件に合わせて構築されることで最適化されたネットワークを実現する。

プライベート5Gは、ソフトバンクの周波数帯を使って、企業や自治体の敷地内に、必要な帯域、必要な容量の5Gネットワークを提供する。パブリック5Gとローカル5Gの中間に位置するのが、プライベート5Gだ。

また、ソフトバンクが提供する5G SAは、コンテナをベースとしたアプリケーションがクラウド基盤上で稼働することにより、容量拡張や新サービスの提供が可能になるとしている。

ソフトバンクは今後、5G SAの特長を生かしたサービスを順次展開していく方針だ。