伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月6日、金融機関向けのAPI連携ソリューションの提供を開始すると発表した。AuthleteのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)認可サービス「Authlete(オースリート)」を中心としたデータ連携を実現するクラウドサービスを提供する。

Authleteは、APIの使用時に安全なデータ連携を規定した技術仕様「FAPI (Financial-grade API、通称:ファピ)」の認定を受けており、APIでのアクセスを許可する「認可」の機能を実装したクラウドサービス。

例えば、フィンテック関連のアプリケーションが銀行のデータを利用する場合に、リクエストごとに口座残高・入出金履歴の照会、資金移動を伴う振込・決済などのデータが利用できる権限を付与し、アクセス可能な時間と機能を制限してAPI連携を可能にするという。何らかの手段で不正利用が発生した場合でも、アクセスに有効期限と機能制限があるため被害を最小限に抑えられるとのことだ。

CTCは、すでにAPI公開の際の利用状況の分析やトラフィック管理、フォーマット変換などを実現するプラットフォーム「Apigee」の取り扱いを開始しており、Authleteと組み合わせて金融機関向けにAPI連携ソリューションを提供する。

価格は月額10万円(税抜)から。同社は、自社システムのAPI公開を進める金融機関を中心に展開し、3年間で20社の受注を目指す。今後は、APIから得られた購買データをもとにしたAI活用の機能の拡充も視野に、API連携ソリューションを拡張させていく方針だ。