多くのユーザが使用しているGmailだが、その機能の豊富さと使い勝手のよさの一方、メールの内容を読み取って関連性の高い広告を表示するなど、機密性の低さがしばしば問題視される。著名なサービスゆえ攻撃の対象となったり、偽装に使われやすいのも事実で、フリーのメールアドレスで登録できないサービスの中には、Gmailを名指しでNGとしている場合もある。

こうした事情を背景に、もしGmailと同等以上の機能および使い勝手を備えたメールサービスがあれば、乗り換えたいと考えている人は少なくないはずだ。またGmail自体に特に抵抗がなくても、いま新たにGmailでメールアドレスを取得しようとすると、ドメインが一種類しかないため、気に入ったメールアドレスがなかなか取得できないといった理由もある。

今回は、そんなGmailの代替になりうる、Webメールサービスを3つ紹介する。なかには無料版では機能に制限があったり、有料プランが前提のサービスもあるが、独自ドメインへの対応やエンドツーエンド暗号化など、Gmailにはない機能も多い。いずれも日本語メールの作成および表示に対応しているので、まずはサブとしての用途から、試してみてはいかがだろうか。

有料プランがとにかく安い新興サービス「Purelymail」

Purelymail」は、年わずか10ドルの格安プランを売りとする新興のWebメールサービス。まだベータ版だがUIは日本語化されており、日本語環境からも使いやすい。

追加料金なしでカスタムドメインを利用できるほか、Gmailに似たエイリアス機能も備える。エンドツーエンド暗号化はサポートしないが、二要素認証をはじめとした基本的なセキュリティ機能はサポートしている。

約1カ月程度(容量に依存)のトライアルモードがあり、それを超えると有料となる。なおスマホアプリはなく、スマホからのアクセスはブラウザを利用する。

  • Purelymail

エンドツーエンド暗号化に対応した定番サービス「ProtonMail」

ProtonMail」は、スイス発のWebメールサービス。エンドツーエンド暗号化をはじめとしたセキュリティ第一の設計で、後発ながら世界中に愛用者がいる。

部分的には英語ながら、トップページからメールのUIまで日本語に対応しており敷居は低い。基本機能は無料で利用できる一方、有料プランは年間では6,000円程度とややコストがかかる。

セキュアなメールサービスとしては有名になりすぎたせいで、このアドレスを使っていると怪しいメールをやり取りしているように見られかねないのが、難といえば難だろうか。

  • ProtonMail

jpドメインも利用可能な老舗サービス「Fastmail」

Fastmail」は、オーストラリア発の、Webメールとしてはかなりの老舗にあたるサービス。サイトは英語表示だが、ログイン後のUIは日本語化されており、メールアドレスはjpドメインも選択可能。またエイリアスでは100以上のドメインを利用でき、送受信にあたって身元を隠すのに役立つ。

Gmailに似たスパムフィルタ機能を備えており、今回紹介している3サービスの中ではもっとも精度が高い。ProtonMailのようなエンドツーエンド暗号化には対応しない。無料期間は30日で、以降は月3ドルからの有料プランへの登録が必須となる。

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