いま、睡眠の質が落ちていると感じている人が増えています。コロナ禍の在宅ワークによって生活リズムが崩れがちになることが、大きな理由のひとつです。

そんななか、照明器具も開発しているダイソンが「Dyson睡眠環境 勉強会」と題し、環境のプロやYouTuberを招いたプレス向け睡眠セミナーを開催。ダイソンのIoT照明「Dyson Lightcycle Morph」を中心に、睡眠に適した部屋の明かりについて解説しました。「寝ても疲れが取れにくい」「目覚めが悪い」という人はぜひチェックしてほしい内容です。

  • 今回のセミナーでは、生活環境の専門家が「睡眠に最適な照明」について解説してくれました

なぜコロナ禍で「睡眠の質」が下がる?

東京都市大学 建築都市デザイン学部建築学の小林茂雄教授が「在宅勤務時代における照明による睡眠の質の向上」について解説してくれました。小林教授は建築において、光や空間環境が人に与える影響などについて研究しています。

  • 東京都市大学 建築都市デザイン学部建築学 小林茂雄教授

冒頭で「リモートワークが増えるなか、睡眠の質が落ちている」と書きましたが、なぜリモートワークだと睡眠の質が悪くなるのでしょう? 小林教授はこの理由について「睡眠の質が悪化する理由は環境や生活習慣、心身の状態などいろいろありますが、理由のひとつとして『明かり』も関係します」とのこと。

  • 全国の25歳~59歳、正社員・フルタイムで働くオフィスワーカーの600人を対象にしたアンケート。31.7%もの人が「コロナ禍前後から寝ても疲れが取れなくなった」と答えています

人の睡眠に関わる光で重要になるのは「明るさ」と「色」の要素。そもそも人には生体リズム(サーカディアンリズム)があり、朝は太陽の明るく青白っぽい色の光を浴びることで、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンを抑制し、覚醒度を上昇させます。同時に交感神経が優位になり、体温や血圧、心拍もアップ。つまり活動に適した身体の状態になるのです。

一方、夕方になるにつれ太陽光は徐々に暗く、オレンジっぽい色になります。この光を浴びると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が増え、副交感神経が優位になり、体温や血圧、心拍数が穏やかになって身体が眠る用意を始めるそうです。

  • 白く明るい光で身体は活動的な状態に。夕方からは穏やかでオレンジ系の光を浴びることで、睡眠ホルモンが活発に分泌されます

小林教授によると、寝る前だけ照明を暗いオレンジ系にすればよいのではなく、「昼はしっかり明るく白い光を浴び、夜は穏やかでオレンジ系の明かりに切り替える」ことが重要。つまり、昼と夜の光で人間の交感神経と副交感神経を切り替えることで、自律神経のバランスが整い、質のよい睡眠につながります。

ところが、明るい通勤時の屋外やオフィスと異なり、リモートワークでは一日中ほどよい明るさの照明しかない自宅。このため昼間の交感神経がしっかりと優位になりにくく、自律神経が乱れやすいのです。時間帯や生活シーンによって自宅の照明を変えているという人は少数派でしょう。各部屋の照明は天井のシーリングライトだけ、という家庭も多いと思います。

  • オフィスは仕事がしやすい環境にするため、多く場合は明るく白っぽい明かりを採用しています

  • オフィスワーカーが平日に浴びている光の照度(明るさを示す単位のひとつ)と、在宅勤務の照度の違いをグラフ化。実線がオフィス、破線が在宅勤務時の照度。オフィスワーカーは昼間、在宅勤務時(自宅)と比べて倍近い明るさの環境にいることがわかります

最近は比較的リーズナブルなLED照明にも「調光・調色」機能が備わっています。こうした照明を導入してるなら、本来は「朝から夕方までは明るく(全灯)白っぽい明かり」「夕方から就寝までは控えめでオレンジっぽい明かり」にするのが理想的。しかし、600人を対象としたアンケートでは、調光・調色機能を搭載している照明があっても、明るさや色を時間にあわせて調整している人はほとんどいないという結果に。

今回のセミナーで紹介されたダイソンのIoT照明「Dyson Lightcycle Morph」は、スマートフォンと連携。スマートフォン(のアプリ)で地域を入力すると、その地域の時間にあわせて明るさや色を変化させる「シンクロモード」を搭載しています。朝は明るく白っぽい光、夕方は控えめでオレンジ系の光という、自然光に近い明かりへと自動的に調光できるのです。

  • Dyson Lightcycle Morphは高さ52.3cmのデスクライトモデル(写真右)と、高さ125cmのフロアライトモデル(写真左)の2モデルがあります。両モデルとも、カラーはホワイト/シルバー、ブラック/ブラックの2色を用意

  • あらかじめ居住地域を登録しておくと、「シンクロ」モードで自然な光を演出してくれます

寝る前の照明、明るさはどうすればいい?

小林教授による「寝室の照明条件による睡眠の質への影響」の検証についても紹介されました。これは、以下の2つの条件で4名の被験者に5日間睡眠してもらうという実験です。

■条件A:通常照明
・就寝1時間前の寝室を、白色光(5000K)と通常の明るさ(枕元200ルクス)で照明
・就寝時には消灯し、起床時には自分で点灯

■条件B:自然光シンクロ照明
・自然光の明るさと光色(色温度)にあわせて自動調光する照明モードを使用
・就寝予定の1時間前から暖色光(2700K)で照明。壁と天井を照らす間接照明(枕元1ルクス)
・就寝時には消灯し、起床設定時刻の30分前から自動点灯

条件Aと条件Bの被験者とも、睡眠時間は同じくらいだったものの、条件Aの被験者は深い眠りに入りにくく、目覚めが悪いという結果が。一方で、条件Bの被験者は就寝直後に深い眠りに入りやすく、覚醒もスムーズだったといいます。

小林教授による睡眠前後の最適な照明環境は、以下がよいとのこと。

・寝る1時間前から明るさを絞り、オレンジ系の色で間接照明を中心にする
・睡眠中は真っ暗、あるいは薄暗い明かりのどちらでもよい
・起床30分前から徐々に明るく白っぽい明かりにする

また、寝る前にはできるだけスマートフォンやパソコンの画面を見ず、体温が上がるお風呂や激しい運動を避けるのが重要。身体を動かしたいときは、ゆっくりとしたストレッチがよいそうです。ちなみに、寝る前のお酒は眠りやすくなるかもしれませんが、眠りが浅くなって中途覚醒(入眠して数時間で目が覚める)もしやすいので、オススメしないといいます。

  • 小林教授による、睡眠の質を向上する調光調色のタイムテーブル例。寝る時間、起床する時刻にあわせた調整が必要なので、Dyson Lightcycle Morphのようなスケジュール機能を搭載した照明がほしいところ

  • Dyson Lightcycle Morphは3つの回転軸があり、LEDをさまざまな方向に向けられます。天井や壁に光を当てて、間接照明としても利用可能です。小林教授の「寝る一時間前は間接光がよい」という環境にも応えてくれます

【動画】アームがぐりぐり動くのに加えて、ライト部分も360度回転するので、間接照明にもなります。

  • Dyson Lightcycle Morphはライト部分を支柱にあわせることで、支柱全体がぼんやりと光る「アンビエントライト」にもできます。このモードだと明るさが抑えられるので、寝る前の照明によさそうです

【動画】本体上部のタッチ&スライド式ボタン。先端側を指でスライドすると調光、スタンド側をスライドすると調色

人気YouTuber・石井あみさんのお手軽ストレッチ講座

小林教授の「寝る1時間前は(激しくない)ストレッチがよい」という話題を受けて、セミナーの最後には人気YouTuber・石井あみさんがストレッチをレクチャー。今回教えてくれたストレッチは、イスに座ったままやベッドの上でもできるものです。

【動画】人気YouTuber・石井あみさんによる簡単手軽なストレッチ講座。寝る前や寝起きにおすすめストレッチ、肩こり首こりにおすすめのストレッチを紹介しています
(音声が流れます。ご注意ください)

■ストレッチ前の準備運動

両手を頭の上で強く組み、パッと離して重力にまかせるように両脇に下ろします。血流が全身に流れてストレッチ前の準備運動にぴったり。

■首をストレッチ

片手は背中に、もう一方の片手は頭を支えるようにして頭を横に曲げ、それから斜め前方向に曲げます。左が終わったら右も同じようにストレッチ。呼吸はゆっくりと4カウントで吸って、4カウントで吐くようにしましょう。肩こり首こりに効果的とのこと。石井さんによると、首回りをほぐすと自律神経が整って眠りやすくなるそうです。

■ついでに気になる顔のラインをケア

首の側面を、鎖骨から耳の後ろのくぼみ部分まで、親指でゴリゴリとマッサージ。右は首の付け根から、左は鎖骨から刺激することで、顔のむくみが解消して顔のラインもスッキリするんだとか。

最後に両手で首の付け根を押さえ、アゴを上に上にと伸ばします。これでアゴのラインがキュッと引き締まります。

■朝起きたときにオススメのストレッチ

朝起きたときにオススメなのが、身体が温まる肩甲骨のストレッチ。両手を身体の横に開き、そのまま頭の上に伸ばす動作を繰り返します。

次に、腕を「ハ」の字に伸ばし、そのまま肩甲骨を絞るように腕を前後させます。簡単な動きですが、血行がよくなり身体全体が温かくなるのがわかるはず。

Dyson Lightcycle Morphは高価だけど……

今回はダイソンによる睡眠セミナーでしたが、Dyson Lightcycle Morphでなくてもスケジュール機能や調光・調色機能がある照明が自宅にあるなら、一部だけでも実践できる部分はあるはず。まずは、自宅の照明でできることを試してみるとよいでしょう。

Dyson Lightcycle Morphの実機を見ると、そのカッコよさに思わず購入したくなってしまいました。大きな問題は、Dyson Lightcycle Morphのデスクライトが72,600円、フロアライトが97,900円(いずれも直販価格)というお値段。これで睡眠の質が上がると思えば高くない……? Dyson Lightcycle Morphは「60年間、光の質が変わらない」をウリにしていて、インテリアのアイテムとしても使いやすいので、長く長く見ればよい買い物といえるかもしれません。睡眠の質は普段なかなか実感できないとも思いますが、快眠を目指す環境のひとつとして注目してみてください。

  • 筆者がDyson Lightcycle Morphで地味に気に入っているのが、支柱にUSB Type-Cの充電用ポートがあるところ。ベッド横のサイドテーブルに置いておけば、寝ている間のスマートフォンの充電に便利そう