Pythonエンジニア育成推進協会は7月30日、Pythonオープンドキュメントプロジェクトを10月より公開すると発表した。同プロジェクトでは、誰でも無料で正しいPythonを分かりやすく学べるよう、初学者向けのドキュメントを作成して、無料で公開する。

同プロジェクトを実施する背景について、同協会の代表理事を務める吉政忠志氏は、次のように語る。

「Pythonを教える学校法人やスクールが増えていますが、正しい文法を教えているかどうか、疑わしいと考えています。実のところ、Pythonに関する書籍のうち、正しくない文法を使って解説しているものが散見されます。一方、学校やスクールは個別に教材を作成しているため改変が大変であるという事情があります。そこで、Pythonエンジニア育成推進協会では、誰でも無料で正しいPythonを学習できるドキュメントを公開することで、エンジニアをサポートするとともに、教材を作成すぐ学校法人やスクールが教材を開発する手間とコストの削減に貢献したいt思っています」

  • Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政忠志

ドキュメントの監修を担当するのは、同協会の顧問理事を務める寺田学氏だ。寺田氏はPython関連の開発を多く手掛けているほか、Pythonのスクール開催の経験もある。

  • Pythonエンジニア育成推進協会 顧問理事 寺田学氏

公開予定のドキュメントは初学者をターゲットとしているため、「スクリーンしょっとをふんだんに取り入れて、丁寧解説します。スクールなどが教材を作成する際、スクリーンショットをたくさんとると思いますが、手間がかかっているはずです。われわれのドキュメントを活用してもらえば、テキスト作成にかかる時間を削減してもらえると思います」と、吉田氏は語る。

また、「CC-BY 4.0 国際」の下、多くの人が自由に利用できるようにするほか、オープンソース・ソフトウェア(OSS)の開発に従って、Githubを活用して、改訂を行っていく。OSSの開発で行っているコントリビューションも受け付けるそうだ。

開発言語は定期的にバージョンアップが行われるため、ドキュメントもバージョンアップが求められることになる。「あっというまにドキュメントが古いものになってしまいます」と吉田氏。そのため、同協会では、最新バージョンに追随して最新情報の公開に努めるほか、複数のバージョンへの対応、複数のOSへの対応など幅広く利用可能なドキュメントを作っていくとしている。

当初は、ニーズが高い「Pythonのインストール・セットアップ」「Pythonの文法基礎」「エディタやJupyter Labなどの環境セットアップ」に関するドキュメントの公開が予定されており、随時、ラインアップを増やしていく計画だ。