日本のタブレット市場、アップルのiPadが過半数となる53%の出荷台数シェアを獲得し、11年連続でナンバーワンを獲得したことが分かりました。テレワーク需要に加え、1人1台のコンピュータ環境を学校に導入する「GIGAスクール構想」で多くの自治体がiPadを選択したこともあり、暦年の出荷台数が初めて500万台を突破。タブレット市場での独走が続きます。

  • アップルのiPadが11年連続でタブレット市場のシェアナンバーワンを獲得したことが分かった

調査会社のMM総研は5月11日、2020年暦年(1~12月)のタブレット端末の出荷台数調査の結果を発表しました。テレワークや在宅学習でタブレットを求める人が増えたことに加え、GIGAスクール構想の“特需”を受け、タブレット全体の出荷台数は969万台と、前年比で31.1%も増加。これまで最も多かった2015年の943万台を上回り、過去最高の出荷台数となりました。

  • タブレットの出荷台数。この数年は軟調だったが、GIGAスクール構想の特需で過去最高の出荷台数となった

メーカー別の出荷台数シェアは、アップルが513.4万台でトップとなりました。前年比では30.6%増と大幅に伸びています。2位はNECレノボグループで、3位は日本マイクロソフトが続きます。

OSのシェアも、アップルのiPad OSがトップとなっています。2位はWindowsで、初めてAndroidを抜いて2位になりました。Windowsタブレットは教育市場でのシェアが高く、GIGAスクール構想の特需を受けて躍進したとみられます。ちなみに、Windowsタブレットも暦年の出荷台数は過去最高(237.3万台)となりました。

  • メーカーとOS別のシェア。GIGAスクール構想の特需を受けてWindows陣営が伸びている

これまでと変化が見られるのが、セルラー通信対応モデルの割合が減ったこと。Wi-Fiモデルが前年比72%増の694.6万台(シェアは71.7%)と急増したのに対し、セルラーモデルは前年比18.1%減の274.4万台(シェアは28.3%)にとどまりました。携帯電話キャリアを通じて販売するセルラーモデルは、以前のように多額の販売奨励金を原資にタブレット本体を低価格で販売するのが困難になったことが、伸び悩みの要因となっています。

  • 「通信契約とセットで安く買える」という国内キャリアのメリットが消失し、セルラーモデルの販売は減っている