ASUS JAPANは2画面ノートPC「ASUS ZenBook Duo 14」を4月21日に発表、同日より順次販売を開始しました。2021年モデル最大の進化点はキーボード面に設置されたサブディスプレイにチルト機構が採用されたこと。これによりメインディスプレイとの明るさの差が軽減されています。またThunderbolt 4端子を採用し、サードパーティー製USB Power Delivery対応充電器で充電可能となりました。タッチパッドが右側に配置されている点はやや変則的ですが、2画面ノートPCとしてグンと完成度が上がっています。

  • ASUS JAPAN「ASUS ZenBook Duo 14」直販価格159,800円~

    ASUS JAPAN「ASUS ZenBook Duo 14」直販価格159,800円~

最上位からMS Officeを抜いたモデルも販売してほしい!

ZenBook Duo 14には下記の3モデルが用意されています。

  • UX482EG-KA143TS(直販価格239,800円)
    Core i7-1165G7/RAM16GB/SSD1TB/GeForce MX450/MS Office
  • UX482EG-KA146T(直販価格179,800円)
    Core i5-1135G7/RAM16GB/SSD512GB/GeForce MX450/WPS Office
  • UX482EA-HY1147(直販価格159,800円)
    Core i5-1135G7/RAM16GB/SSD512GB/ WPS Office

つまり、CPUのグレード、ストレージ容量、ディスクリートGPUの有無、Officeの種類が異なるわけです。ちなみに今回は最上位の「UX482EG-KA143TS」を借用しています。個人的には「Microsoft 365」を契約しているので、「UX482EG-KA143TS」からMS Officeを抜いたモデルも用意してほしいところ。MS Officeは筆者にとってなくてはならないものですが、余分にはいらないのです。

さて、これ以外のスペックは基本的に共通。ディスプレイは、メインに14型フルHD(1920×1080ドット、157ppi、ノングレア、400cd/平方m、sRGBカバー率100%、60Hz、タッチ対応、スタイラス対応)、サブに12.6型フルHD(1920×515ドット、158ppi、ノングレア、60Hz、タッチ対応、スタイラス対応)を採用。

通信機能はIEEE 802.11 ax/ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 5.1をサポート。インターフェイスはThunderbolt 4×2、USB Type-A 3.2 Gen1×1、HDMI 1.4×1、microSDメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1を搭載。ディスプレイ上部にはIR&92万画素カメラを搭載しています。

本体サイズは約324×222×16.9~17.3mm、重量は約1.6kg。前モデルの厚みが20.4mm、重量が約1.66kgだったので、サブディスプレイのチルト機構を内蔵したにもかかわらず、薄型化、軽量化を実現しているわけです。薄型化はボディを持っただけで体感できるレベルですよ。

バッテリー容量は「Battery repot」コマンドで確認したところ、設計容量が70,001mWh、フル充電容量が71,246mWhと表示されました。バッテリー駆動時間はGeForce MX450搭載モデルが約10.8時間、非搭載モデルが約11.1時間と謳われているので、従来モデルの13.9~14.3時間より少し短くなっていますね。とは言えUSB Power Deliveryに対応して充電環境が改善されたので、実際に困ることは少ないと思われます。

  • 本体天面。ボディーは落下、衝撃、耐震、高度、高湿度などMIL-STD 810H準拠のテストをクリアーしています

  • 本体底面

  • ディスプレイ面。メインディスプレイは14型フルHD(1920×1080ドット、157ppi、ノングレア、400cd/平方m、sRGBカバー率100%、60Hz、タッチ対応、スタイラス対応)、サブディスプレイは12.6型フルHD(1920×515ドット、158ppi、ノングレア、60Hz、タッチ対応、スタイラス対応)

  • メインディスプレイの色域を実測したところ、ほぼスペック通りのsRGBカバー率98.6%という値が出ました

  • キーボード面。配列は87キー日本語仕様のみ。タッチパッドが右側に配置されている点が特殊ですが、意外とすぐに慣れます

  • ディスプレイ上部にアレイマイクが内蔵

  • 右側面にmicroSDメモリーカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1、USB Type-A 3.2 Gen1×1、左側面にHDMI 1.4×1、Thunderbolt 4×2を配置

  • パッケージには、本体、ACアダプター、スタンド、説明書が同梱。上の写真に写っているスタイラス「ASUS Pen SA201H」(直販価格8778円)は別売りです

  • ACアダプターのケーブルの長さは実測200cm前後

  • ACアダプターの型番は「AD2129320」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 3.25A、容量65W

  • スタンドは何回も貼り付けられます

  • スタンドを起こせば、サブディスプレイ、キーボードをさらに起こせます。サブディスプレイの視認性が大きく改善されますが、キーボード面の角度が急すぎるので外付けキーボードとマウスを用意したほうがよいですね

  • 本体の実測重量は1605g

  • ACアダプターの実測重量は211.2g

チルト機構採用によりサブディスプレイの視認性は着実に向上

さて、チルト機構が採用されたサブディスプレイ「ScreenPad Plus」ですが、従来モデルより視認性が向上したのは間違いありません。キーボード面に対してチルトする角度自体は7度ですが、特にダークモードでは明るさの差はほとんど気になりません。

  • ディスプレイを完全に開くと、テーブルに対してキーボードは実測4度、サブディスプレイは実測11度の角度がつきます

  • 机の上にZenBook Duo 14を設置し、筆者の目の高さから撮影してみました。地が黒い場合はメインディスプレイとサブディスプレイの明るさの差はほとんど気になりません

しかし地を白くすると、見た目の明るさの差がハッキリとわかります。チルト機構により実用上問題ない視認性が確保されていますが、どうしても明るさの差が気になるのならブラウザーやアプリでもダークモードを使用するか、サブディスプレイに合わせてメインディスプレイの輝度を少し落とすとよいでしょう。

  • 白地では明るさに差が出ますが、サブディスプレイ側も実用的な視認性が確保されています

2画面を使いこなすためのソフトウェアも進化。タイトルバーを掴んでスライドすると表示される「アクションメニュー」に、別ウインドーに移動させる「アプリスイッチャー」、メインとサブをまたがって全画面表示する「ビューマックス」に加えて、サブに表示する際に4つのレイアウトを選択できる機能が追加されました。ソフトウェアだけで実装できる便利機能なので、ぜひ従来モデルにもソフトウェアアップデートで提供してほしいですね。

  • ウインドーを掴んだまま、マウスカーソルを「アプリスイッチャー」のアイコンを経由して下にスライドさせると、サブディスプレイに表示する際のレイアウトが現われます

87キー日本語キーボードのキーピッチは実測17.5mm前後、キーストロークは実測1.45mm前後。14型マシンでキーボード横にタッチパッドを配置しているのでキーピッチが狭くなるのは仕方がないですね。正直、窮屈感はあります。タッチパッドではなくポインティングスティックを採用し、X方向だけでもキーピッチを広げてほしいなと、個人的には希望しています。

  • キーピッチは実測17.5mm前後

  • キーストロークは実測1.45mm前後

  • 長さ20cmと手の大きな筆者には本製品のキーボードはやや窮屈です

  • キーボードバックライトは明るさを3段階で調節可能

メイン、サブともタッチ操作、スタイラス操作に対応している点は使い勝手がよいです。キーボードをロックすれば、サブディスプレイでもしっかりと手を預けてイラストなども描けます。気になった点は、別売の「ASUS Pen SA201H」の書き味がかなり硬めなこと。筆者のように軟らかいペン先が好みの方は、互換性を持つ他メーカー製スタイラスペンを組み合わせることをお勧めします。

  • メイン、サブともにタッチ、スタイラス対応

  • キーボードをロックすれば、手をしっかり預けてサブディスプレイにスタイラスペンで書き込み可能。別売の「ASUS Pen SA201H」の書き味はかなり硬めです

  • 筆者が試した限りでは「Surfaceペン」で描画できましたが、保証外なのであくまでも自己責任でご利用ください