シャオミの最新スマートフォン「Redmi Note 9T」と「Redmi 9T」。Redmi Note 9Tは5Gに対応し、税込21,600円(MNP48回払いの場合は月1円)でソフトバンクから、Redmi 9Tは税込17,490円前後(市場想定価格)でSIMフリーモデルとして発売中です。

どちらも高いコストパフォーマンスが話題ですが、5G対応と非対応といった違いはあるものの、画面サイズやメモリ・ストレージ容量は同じで、サムスンのGalaxyシリーズの「Noteは大画面でペン付き」のような、わかりやすい違いはないようです。スペックだけ見ると似ているところも多い2機種を、実際に使い比べてみました。

  • 左がRedmi 9T、右がRedmi Note 9T。ディスプレイはどちらも、約6.53インチのフルHD+(2340×1080ドット)液晶を搭載しています

持った感じはほぼ同じ。画面の見え方に違いアリ

厚さはRedmi Note 9Tの方がほんの少しだけ薄いものの、持った感じのサイズ感はほとんど同じです。画面が大きく見やすい代わりに、それなりに重さもあるスマホといった印象。

ベゼルの細さはどちらも同じくらいで、Redmi Note 9Tはインカメラが画面の左上にありパンチホール型、Redmi 9Tは中央上にありドロップ型と、ノッチの形状が異なっています。

  • 左がRedmi 9T、右がRedmi Note 9T。ディスプレイの輝度にも差があり、同じように明るさを最大に設定して見比べると、特に斜めから見たときにRedmi Note 9Tの方が明るいです

  • 左がRedmi 9T、右がRedmi Note 9T。写真などを表示してみたときも、Redmi Note 9Tの方がくっきり色鮮やかに見えます

  • 左がRedmi 9T、右がRedmi Note 9T。背面はどちらもポリカーボネート製で、つや消しで指紋が付きにくく、かつザラっとした触り心地の加工がされています。Redmi Note 9Tの方がグリップ感が強く、よりザラっとしている一方で、Redmi 9Tの方には、ロゴを大きく型押しした特徴的なデザインが採用されています

  • 左がRedmi 9T、右がRedmi Note 9T。いずれも3.5mmのヘッドフォン端子を備えていますが、Redmi Note 9Tは端子が下、Redmi 9Tは上と配置が逆

指紋・顔認証OK。フェリカはRedmi Note 9Tのみ

どちらも電源ボタンが指紋認証センサーを兼ねていて、ほかに顔認証も利用できます。指紋認証センサーの反応速度は体感ではほぼ同じで、どちらもまったくストレスなくロック解除が可能。

このほかRedmi Note 9Tはシャオミのスマートフォンでは初めてフェリカを搭載していて、おサイフ機能が使えます。背面にはそのことを示すマークもプリントされています。

  • 2機種はSIMスロットの位置も同じ(左がRedmi 9T、右がRedmi Note 9T)。microSDカードと2つのSIMが同時にセットできる仕様ですが、ソフトバンク向けのRedmi Note 9Tは、片方のSIMスロットが使えないようになっています

カメラは3眼と4眼。写真の違いをチェック!

カメラはRedmi Note 9Tが3眼、Redmi 9Tが4眼で、4,800万画素のメインカメラに200万画素のポートレート(深度)カメラ、200万画素のマクロカメラは同じですが、Redmi 9Tには加えて800万画素の超広角カメラも備わっています。

一方でデジタルズームは、Redmi Note 9Tの最大10倍に対して、Redmi 9Tは最大8倍。また動画はRedmi 9TがフルHD/30fpsまでなのに対し、Redmi Note 9Tは4K/30fpsに対応。さらにRedmi Note 9Tにだけ、簡単にショートムービーが撮影できるVlogモードが備わっています。

それでは実機で撮影した作例を見ていきましょう(下記の作例は1,200ドットにリサイズ。クリックで4,000ドットの原寸大を表示できます)。

  • 【左:Redmi 9T、右:Redmi Note 9T】どちらにもAIによるシーン認識機能があり、料理などを最適な設定で撮影できます

  • 【左:Redmi 9T、右:Redmi Note 9T】Redmi Note 9Tは暗所も明るく撮れるので、Redmi 9Tの方が濃淡が強く出ます

  • 【左:Redmi 9T、右:Redmi Note 9T】ポートレートモードで撮影。どちらもきれいに背景がボケます

  • 【左:Redmi 9T、右:Redmi Note 9T】夜景モードでは明らかな違いがありました。Redmi Note 9Tの方が細部まで明るく撮れます。逆に自然な暗さはRedmi 9Tのほうがよく表現されています

  • 【左:Redmi 9T、右:Redmi Note 9T】インカメラはRedmi 9Tが800万画素、Redmi Note 9Tが1,300万画素。暗所でのセルフィーでは両者の画質の違いがよくわかります

Redmi 9Tのズーム機能

  • 【Redmi 9T】Redmi 9Tではワイド、標準、2倍がワンタッチで切り替えられるようになっていて、スナップを気軽に楽しめます

  • 【Redmi 9T】ワイド

  • 【Redmi 9T】標準

  • 【Redmi 9T】ズーム。ズームは8倍まで

Redmi Note 9Tのズーム機能

  • 【Redmi Note 9T】Redmi Note 9Tはワンタッチでの倍率の切り替えができず、ピンチ操作で拡大するしくみ

  • 【Redmi Note 9T】標準

  • 【Redmi Note 9T】ズーム。ズームは10倍まで寄ることができます

名前はややこしいけど使い勝手は結構違う

CPUはRedmi Note 9TがMediaTek Dimensity 800U、Redmi 9TがクアルコムのSnapdragon 662を搭載。いずれもミドルレンジ向けですが、筆者が試した限りでは動画やゲームを楽しむのに特にストレスを感じるようなことはありませんでした。

ただ比較してみると、アプリの起動時間やタッチへの反応速度はRedmi Note 9Tの方が少し速い印象でした。どちらもメモリは4GB、ストレージは64GBで、バッテリーはRedmi Note 9Tが5,000mAh、Redmi 9Tが6,000mAh。同じように使っていてバッテリーの減り方が極端に違うということはありませんでしたが、確かにRedmi 9Tの方が容量が大きい分、少し電池持ちが良いように感じました。

名前もスペックも似ていてちょっとややこしいRedmi Note 9TとRedmi 9Tですが、5Gやフェリカへの対応、デュアルSIMの有無やバッテリー容量など、スペックからわかる違いのほか、ディスプレイの色鮮やかさやカメラの使い勝手、アプリ起動にかかる時間など、実際に使ってみると多くの点で違いを感じることができました。

特にディスプレイの明るさ、鮮やかさの違いは明らかで、ここは選ぶ際のポイントになりそうです。カメラはズームの切替がしやすく、広角もあってスナップ撮影がしやすいのはRedmi 9Tですが、夜景やセルフィーの明るさ、きれいさは、約4,000円高いRedmi Note 9Tに軍配があがります。

ただ、どのポイントも比較したからこそわかる違いでもあり、両者とも必要十分な性能を備えていて、使っていて不便さを感じるようなことはありませんでした。特に筆者はモバイルSuicaをよく使うので、お手頃な価格帯のRedmi Note 9Tでフェリカが使える恩恵は大きいと改めて感じました。

Redmi Note 9TとRedmi 9Tの主な仕様

製品名 Redmi Note 9T Redmi 9T
OS MIUI(Android 10ベース)
CPU Mediatek Dimensity 800U Qualcomm Snapdragon 662
メモリ 4GB
ストレージ 64GB
外部メモリ(microSD) 最大512GB
ディスプレイ 約6.53インチ(2,340×1,080ドット液晶)
メインカメラ 【3眼】有効画素数約4,800万画素+約200万画素+約200万画素 【4眼】メイン4,800万画素+超広角800万画素+マクロ200万画素+深度200万画素
サブカメラ 有効画素数約1,300万画素 800万画素
デジタルズーム 最大10倍 最大8倍
本体サイズ W77×H162×D9.1mm W77.3×H162.3×D9.6mm
重さ 約200g 約198g
おサイフケータイ
バッテリー容量 5,000mAh 6,000mAh
Wi-Fi IEEE802.11a / b / g / n / ac
Bluetooth 5.1 5.0
フルセグ/ワンセグ -/-
防水/防じん -/-
有線インタフェース USB Type-C