我が家で一番出番が多い家電といえば、デロンギのコーヒーマシンです。一日に夫婦でそれぞれ3~5杯は飲むので、休むヒマがありません。何年も酷使され続けた「デロンギ マグフィニカS」はついに倒れてしまい……。

修理も考えましたが、2020年10月に発売された新モデル「ディナミカ 全自動コーヒーマシン(ECAM35055B)」(以下、ディナミカ)に買い換えました。2021年2月上旬の実勢価格は160,000円前後(税込)と、家庭用としては高価ですが、2020年10月の発売直後はあっという間に売り切れに。現在も品薄が続いています(2021年2月時点)。

  • デロンギの新モデル「ディナミカ 全自動コーヒーマシン(ECAM35055B)」

    デロンギの新モデル「ディナミカ 全自動コーヒーマシン(ECAM35055B)」

特に、2020年からはコロナ禍の影響でコーヒーメーカーの売り上げが好調。デロンギ・ジャパンによると、全自動コーヒーマシン(家庭用)の販売台数は2020年11月末時点で昨対比約140%と大きく伸びています。

エスプレッソだけじゃない! レギュラーコーヒーメニューが豊富

デロンギといえば、高性能な「エスプレッソマシン」で本格エスプレッソコーヒーが楽しめる、イタリアのメーカーというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

ここ数年の製品は、基本的にはエスプレッソマシンながら、レギュラーコーヒーメニューにも力を入れています。「エスプレッソコーヒーは苦手」という人も、最新のデロンギのコーヒーマシンはレギュラーコーヒーのメニューが豊富なので、豆に合わせて色々楽しめます。

ここで取り上げるディナミカは、光沢ブラックを基調とした高級感あるデザインです。タッチパネル式の操作部を正面に配置し、操作性もシンプル。また、日本語対応の液晶ディスプレイを採用して見やすくなりました。

  • ツヤっとした質感のブラック。カタカナ表示でわかりやすいですね。英語表示にも切り替えられます

  • 本格イタリアンコーヒーを楽しめます

日本導入モデルは、初のウォーターフィルターを搭載していることも大きな特徴です。水に含まれる石灰分の付着を減らし、除石灰のお手入れ頻度を少なくするとともに、コーヒー本来の味や香りを引き出します。フィルターの交換は使用開始から2カ月が目安と意外に短く、実勢価格は1本1,760円。ランニングコストは少々高めです。なお、デロンギの全自動コーヒーマシンで魅力のひとつとなっている、自動の内部洗浄機能も引き続き搭載。日々のメンテナンスが最小限で済みます。

  • ウォーターフィルターは水タンクに入れて使用。コーヒーの味もまろやかに

ディナミカの本体サイズは幅24×奥行44.5×高さ36cm、重さは約10kg。小さめなコーヒーマシンなら、普段は片付けておいて使うときに出しくることができますが、ディナミカは奥行が長くて本体も重いので、置きっぱなしで使うことになります。そのため、専用の置き場所を確保する必要があるでしょう。

  • 幅は24cmとスリム

  • 奥行きが長いので置き場を選びます。高機能オーブンレンジと同じくらい

消費電力は1,450Wで、長時間連続で使う機器ではないものの、高い数値となっています。電子レンジやドライヤー、炊飯器などと併用する場合は、ブレーカーが落ちることもあるので注意が必要です。

グラインダー部分は、摩擦熱が発生しにくく、コーヒー豆を均一に挽ける低速回転コーン式を採用しており、好みに応じて挽き具合を7段階に調節できます。豆を入れるホッパーは大きく、あらかじめ多めに入れておけます。ボタンを押せばその都度計量する必要がなく、最適な分量だけ挽いてくれるので、とてもラク。あとは水タンクに水を入れてセットしておきます。

  • グラインダーはコーン式を採用

同じ豆でも淹れ方によって味が変わる

操作は簡単で、カップを置いて前面パネルのボタンを押すだけ。水や豆の最適量をメニューごとに自動で設定してくれて、豆を挽くところから抽出までも自動です。

ディナミカは「カフェ・ジャポーネ」「スペシャルティ」「ドッピオ+」といった多彩なコーヒーメニューに加え、キメ細かい泡立ちのミルクが出来上がる「ラテクレマシステム」も搭載。自力では難しいカプチーノなど、5つのミルクメニューにも対応しています。

コーヒー豆から抽出する場合、豆量調整ボタンを押して、好みの濃さに設定します。コーヒーメニューのボタンは、イタリアの伝統的なコーヒー「エスプレッソ」、フルーティでライトなコーヒー「スペシャルティ」、深蒸しレギュラーコーヒー「カフェ・ジャポーネ」、エスプレッソをたっぷり楽しむ「エスプレッソLARGE」、ベーシックな本格レギュラーコーヒー「ロングコーヒー」、豆を贅沢に使った「ドッピオ+」があります。

  • ボタンはイラストでわかりやすいですね

  • 水は忘れずに入れておきます。少なくなると表示部に警告が出ます

  • 電源ボタンは上面

これらのメニューから、日本人のために搭載されたという「カフェ・ジャポーネ」を淹れてみました。ハンドドリップのように蒸らしながら抽出し、豆を2度に分けて挽くので他のロングコーヒーなどと比較して時間がかかります。

  • カップを置きます

カフェ・ジャポーネの色は深く、香りは豊か、満足度が高いコーヒーです。ただ、豆を2回挽くので、豆の消費量は多くなります。

次に、蒸らさずに抽出する「スペシャルティ」を淹れてみました。酸味が強いコーヒー豆に向いているモードで、挽いたコーヒー粉を蒸らさずにダイレクトに抽出します。コーヒーの流行で第3のトレンドといわれる、やや浅煎りから中煎りの「サードウェーブ」で広まったコーヒー豆と相性がよいとされています。蒸らさずにすぐ抽出するので、淹れる時間は短め。フルーティなコーヒーで香りを楽しみたいときにおすすめです。

「カフェ・ジャポーネ」と「スペシャルティ」を比較してみると、見た目も明らかに違います。前者は深いブラック、後者はブラウン色に。ガツンとした濃厚な香りとコクにやられた「カフェ・ジャポーネ」と、スッキリした味わいの「スペシャルティ」では、同じ豆でも印象が異なりました。まるで別のコーヒーです。淹れ方に合わせて色々な豆を試したくなりますね。

  • 左が「カフェ・ジャポーネ」、右が「スペシャルティ」、色も全然違います

さまざまなタイプのレギュラーコーヒーを選べるのは、ディナミカの特徴でもあります。モードによって香りや味が大きく変わるので、その日の気分によって色々変えたくなります。

「エスプレッソ」も濃さを変えられます。エスプレッソは、コーヒー豆を挽いたコーヒー粉に圧力をかけて、短時間でコーヒーの成分を抽出させたもの。濃厚な深い味わいが特徴です。

本場イタリアでは砂糖をたっぷり入れて飲むようですが、日本はミルクを足したカプチーノやカフェラテにして飲むのがメジャーですね。ディナミカはもともとエスプレッソマシンなので、文句なしのコクと香り。エスプレッソ好きならたまらないクオリティです。

  • 濃さを変えて「エスプレッソLARGE」を淹れてみました。左が一番薄く、右が一番濃いエスプレッソ。真ん中は中間の濃さです。好みに合わせて変えられます

  • エスプレッソは1度に2杯を淹れられます