インテル(株)は2月9日にオンラインで記者説明会を開催し、同社の第11世代vPro、及びこれを利用したIntel Evo vProに関して説明を行った。
第11世代vPro、及びEvo vProそのものは、今年1月のCESのタイミングで行われたオンライン新製品発表会でその存在が明らかにされたが、この時には詳細はあまり説明がなかった。今回の説明会は、これを埋めるものとなる。
Core vProとEvo vPro、性能向上とともにHardware Shieldを強化
まずCore vProについて。性能面で言えば第11世代vProは、前世代と比べても大幅に性能が改善されており(Photo01)、競合製品と比較しても優位(Photo02)というのがIntelの説明である。ベースとなるのがTiger Lakeであり、大幅に性能が引き上げられたのがそのまま効いている。特に競合製品との性能比較では、ビデオ会議中の生産性という観点での詳細な数字も示される(Photo03)など、アピールに余念がなかった。
ただ、単に性能を引き上げただけではなく、改良も含まれている。Gen 11 vProでは、新たにCET(Control-flow Enforcement Technology)とTDT(Threat Detection Technology)が搭載された(Photo04)。これを利用することでROP攻撃を防げる、という話は1月にデモで示された通りである。このCETとTDTはIntel Hardware Shieldの一部であり、今後もIntelはこのHardware Shieldを強化してゆく、としている。ちなみにこの第11世代Core vProは以下の4製品となっている(Photo06)。
次がEvo vPro。考え方はCore vProを搭載したIntel Evoという事になる。問題は第11世代Coreに対応したIntel Evoの要件はどんなものになるか? という話だが、まとめたのがこちら(Photo07)となる。このあたりの要件はvProではない普通のEvoも同じであり、後はプロセッサをCore vProにすることでEvo vProになる形だ。
リモート・ファースト時代に有効な製品を計画
ところで話は再びvProに戻るが、インテルによればこの10年で働き方が大きく変わった(Photo08,09)。直近で言えば、すべての事業者がそういう訳には行かない(製造業は全部をリモート化するのは困難である)が、「リモート・ファースト」に切り替わりつつある部門も少なくない。これを支援するのが、Intel EMA(Endpoint Management Assitant)(Photo11)であり、川崎市を中心に4つのクリニック/診療所を運営する医療法人社団の心翠会はIntel EMAを利用して電子端末管理などを行っているとした(Photo12)。
2月4日には、同じくCESで第11世代H35プロセッサとこれを搭載するノートも発表されており、3月と思われるRocket Lake投入に先んじてTiger Lake系の発表が行われた格好だ。今回は具体的な投入時期、あるいはCore vPro/Evo vPro搭載製品などの説明は行われなかったが、そう遠くない時期であろうかと思われる。ただAMDもRyzen 5000 Mobileを同時期に投入予定(Ryzen Pro 5000 Mobileはまだ投入時期は明らかになっておらず、もう少し後であろう)であり、再びマーケットが盛り上がりそうである。