ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は、2021年の年頭所感を発表した。会員企業同士の共創によって、ドキュメント真正性基盤プラットフォーム、MFPゲートウェイ基盤プラットフォーム、動脈物流共同化活動などの課題に取り組むとしている。

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は、新型コロナウィルスの感染拡大によって世界経済が大きな打撃を受けただけでなく、多くの尊い人命が失われました。 感染拡大に苦しむ方々にお見舞い申し上げるとともに、医療関係従事者の皆さまに深く敬意を表し感謝申し上げます。

振り返れば、昨年は、国民全体に感染予防のための行動変容が求められ、どういった行動様式がふさわしいのか様々な提唱がなされた一年でした。

“働く”という観点では、テレワークやリモート会議などが急速に浸透し、ワークスタイルが激変した年といえるでしょう。

そのようなワークスタイルの変容に対して、昨年11月、当協会は次の3つの取り組みを公 表しました。

  • ドキュメント真正性基盤プラットフォーム
  • MFPゲートウェイ基盤プラットフォーム
  • 動脈物流共同化活動

1つめの「ドキュメント真正性基盤プラットフォーム」は、ドキュメント・データの信頼性や安心・安全を、先進技術を用いて担保することを目的としています。

2つめの「MFPゲートウェイ基盤プラットフォーム」は、ユーザーの勤務場所・勤務時間の制約を受けることなく、いつでもどこでもどの機種でもプリント・スキャンができる環境を作ろうではないか、という発想に基づいています。

そして、これら2つのプラットフォームの具現化は、新しいワークスタイルで求められてきたユーザーの利便性向上と同時に、日本が提唱するSociety 5.0の実現に与するものと考えています。

3つめの「動脈物流共同化活動」は、各社の製品を1台のトラックに積み込んで、各ユーザーに配送する仕組みです。ホワイト物流、及びCO2削減による地球温暖化対策への貢献が期待されます。

これら3つの取り組み以外にも、当協会は通商問題、製品規格、知的財産等様々な分野で活動を進めています。新型コロナ感染拡大問題に加え、米中対立等国内外の業界への課 題など、近年当協会がやるべきことは多岐にわたってきております。いずれも一筋縄には解決できないものばかりですが、会員企業同士の共創によって、これらの課題に取り組み、業界並びに協会の貢献とプレゼンスを高めていきたいと考えています。

当協会の理念は、「ビジネス機械・情報システムの継続的な革新を通じて、新しいワークスタイルを提案し、活力あるグローバル社会を創る」ことです。この理念のもとに活動を続けて、昨年創立60周年を迎えるに至りました。

奇しくもその節目に新型コロナ感染拡大という出来事が発生しましたが、これを奇貨と捉えて、これからの10年に向け、今年の一歩を踏み出していく所存です。

本年も皆さまのご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
皆さまの益々のご健勝を心よりお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。