電気がなければiPhoneはただの金属板、電力が尽きる前に充電するしかありません。問題は充電に要する時間、かかればかかるほどiPhoneの機動力と利便性は低下します。Appleもその点を重視したのか、代を重ねるごとにiPhoneの「高速充電」は改善されています。

8以降のiPhoneは、Apple USB-C - Lightningケーブル(もしくはMFi準拠の同等品)をUSB-PD対応電源アダプタ/モバイルバッテリーに接続すると、約30分で最大50%というペースで高速充電が可能です。ただし、そのとき利用する電源アダプタ/モバイルバッテリーは、USB-PD対応かつ出力18W以上でなくてはなりません。出力がそれ以下の場合、充電速度は低下します。

iPhone 12は、出力20Wの電源アダプタ/モバイルバッテリーが必要です。これまで利用してきた機器が最大18Wの場合、充電は可能なものの約30分で最大50%というペースには達しません。つまり、iPhone 12を最高速度で充電するためには、電源アダプタ/モバイルバッテリーを買い替えなければならないかもしれません。

このとき注意すべきは、USB-PD対応かつ合計出力20W以上の製品であっても、用意されたUSBポートすべてが20W以上とは限らないということです。たとえば、最大36Wをうたう電源アダプタに2基のUSB-PD対応ポートが用意されているとしても、それぞれが最大18Wかもしれません。最大66Wをうたう電源アダプタであっても、USBポートの利用状況次第では1ポートあたり最大18Wに制限される製品が実際に存在します。iPhone 12を最高速度で充電したいのなら、確実に20Wで出力できる製品を選びましょう。

  • iPhone 12を最高速度で充電するためには(写真はApple 20W USB-C電源アダプタ)