パワーやバッテリー持続時間などに不安があり、コードレス掃除機を「サブ掃除機」としていたのは昔のこと。いまでは、スティックタイプのコードレス掃除機が「メインの掃除機」として使われています。ただ、掃除機がパワフルになり高機能化すると、避けられないのが高価格化。気軽には購入しにくい製品だけに、失敗したくありません。そこで、いま注目の「メインで使えるコードレス掃除機」10台を、家電の専門家3人が実際に使って評価しました。
試した製品(メーカー名あいうえお順)
評価したのは以下の10製品です。各モデルのリンクをクリック(タップ)すると、レビューパートへ移動します。
- アイリスオーヤマ:極細スティッククリーナーモップ・マルチツール付 SBD-E4P
- エレクトロラックス:Pure Q9
- シャークニンジャ:Evopower System CS401
- シャープ:RACTIVE Air EC-AR5
- ダイソン:Dyson Digital Slim Fluffy
- 東芝ライフスタイル:トルネオVコードレス VC-CL1600
- パナソニック:パワーコードレス MC-SBU840K
- バルミューダ:BALMUDA THE CLEANER
- 日立グローバルライフソリューションズ:パワーブーストサイクロン PV-BH900H
- 三菱電機:INSTICK ZUBAQ HC-JD2X
試した人
まずは掃除力のテスト
フローリング
掃除機を購入するうえで、気になる掃除力をチェックします。最初は、使う場面が多いと思われるフローリング床材です。仮想ゴミを実際に吸ってみます。ホコリなどの細かなゴミとして重曹、大きめのゴミには猫砂(直径5mm前後サイズ)、そして髪の毛(40cm~45cm程度の人毛)、各テストにつき20本)を用意しました。
テスト方法は、壁から約1mの範囲に仮想ゴミを一通り散らして、(1)各掃除機を壁に向かって約2秒動かして吸い取り、(2)壁にぶつかったら2秒停止、(3)さらに2秒かけて元の位置に戻るというもの。チェックポイントは以下です。
- ヘッドの往路でゴミがキレイになるか
- 壁際のゴミがきちんと除去できるか
- ヘッドが往復したあとにゴミがきちんと清掃されているか
レビュアー陣が特に注目したのは以下の4点です。
- 掃除機のヘッドが通ったあとにゴミの取り残しがないか(手で触って床が重曹でザラつかないか)
- ヘッド両脇のゴミをしっかり吸引できているか(ヘッド両脇の吸引ラインがハッキリしているか)
- フローリングの溝にゴミの取り残しがないか
- ヘッドやブラシが猫砂などの大きなゴミを散らかさないか
カーペット
ゴミが絡まりやすく、掃除能力の高さがものをいうのがカーペットやラグマット。今回はカーペットでの掃除能力をチェックしました。仮想ゴミはフローリングのテストと同じです。
髪の毛に関しては、全10製品がすべての毛を吸引できたので、各製品のレビューパートでは触れません、家庭内のカーペットに落ちた髪の毛は、踏まれたりしてカーペットの毛足に絡まり、なかなか取りにくいのが実状ですが、今回のテストではそこまで再現していません。
仮想ゴミを撒いたカーペット上を掃除機のヘッドで一往復。ヘッドを動かす距離とスピードは、約1mの距離を約2秒です。ここでも、以下の項目に注目しました。
- ヘッドが通ったあとにゴミの取り残しがないか(カーペットの毛の間に重曹が残っていないかなど、目視によるチェック)
- ヘッド両脇のゴミまでしっかり吸引できているか(ヘッド両脇の吸引ラインがハッキリしているか)
- ヘッドやブラシが猫砂などの大きなゴミを散らかさないか
掃除時短の重要ポイント、メンテナンスのしやすさ
ヘッドのメンテナンス
ほとんどのコードレス掃除機が搭載しているヘッドの「回転ブラシ」。回転ブラシのおかげで清掃性能は格段にアップしますが、ロングヘアの家族がいる家庭だと、掃除機の回転ブラシに「髪の毛が絡まって回転が止まる」といった問題も発生します。そこで、重曹と猫砂、40cm~45cm程度の人毛40本を吸い込んだあとのヘッドをチェック。ヘッド内のブラシに髪の毛が巻き付いていないか、掃除後にヘッド内部が汚れていないかなどをチェックします。
ダストビン(ダストボックス)
コードレス掃除機のコンパクト化・軽量化が進むとともに、ダストビン(吸引したゴミが溜まるパーツ)が小さくなる製品も増えてきました。小さなダストビンで問題になるのは、掃除中のゴミ捨て回数が増えること。ゴミ捨てまでの工程などをチェックして、どれだけ簡単にゴミ捨てできるかを確認します。
ゴミ捨て後はダストビンやその周囲の汚れ具合も確認。とくに、ダストビン内のメッシュフィルターに髪の毛が絡まりやすい製品もあります。ゴミ捨て後にダストビン内に髪が残っていないか、残った髪やゴミを簡単に取り除けるかも調べます。
購入の決め手? 使い勝手
ヘッドの動かしやすさや曲がりやすさ、自立するかといったポイントから、「ヘッドにLEDライトを搭載」「予備バッテリーが使える」といった製品独自の特徴的な機能まで、「使いやすさ」に焦点をあててチェックします。
充電台
コードレス掃除機は、ほとんどの時間を充電台に収納された状態で過ごします。そこで、充電台にセットした状態の写真とともに、充電台の機能(付属品を収納できるかなど)について確認します。
付属品
すき間ブラシや布団用ブラシなど、コードレス掃除機に付属するアクセサリーをチェック。車内掃除、サッシのすき間、布団……、1台の掃除機で家中の掃除を網羅したいユーザーにとっては重要なチェックポイントです。
実際に使ったレビュアー陣が感じたこと
各製品のレビューでは、3人の専門家がそれぞれ感じたことをコメントします。それぞれ子どもがいたりペットを飼っていたりと、家庭環境もさまざま。環境によって「使いやすい」と感じる製品は異なっています。
たとえば、パワー重視の掃除機は重かったり、軽い掃除機はバッテリー持続時間が短かったりと、どの掃除機にも一長一短があって「すべての状況に最高の1台」という製品は存在しません。テスト結果やレビュアー陣のコメントを参考に、ご家庭にピッタリの1台を見つけ出して欲しいと思います。