Microsoft Edgeのベータチャネルでバージョン88の配信が始まった。安定版Edgeへの配信は2021年1月21日週を予定しているので、事前に知っておくとよい情報を紹介する。バージョン88の変更点はこれから更新されるであろうBetaチャネルのリリースノートを確認してほしいが、最大のポイントは「スリープタブ」機能だ。

  • スリープタブは、設定の「システム」-「リソースの節約」でスリープに移行する時間や、移行しないWebサイトを指定できる

スリープタブは、非アクティブなタブが一定時間を過ぎると、PCのリソースを解放する機能。具体的には、Webページを表示するために必要なメモリーを解放する。Edgeで開いたタブをアクティブにした状態で一定時間放置し、放置前後のブラウザータスクマネージャーを見ると、若干ながら消費メモリーが減っていることを確認できる。

  • スリープ移行前の状態

  • スリープ移行後の状態

Microsoftの調査によれば、Microsoft Edgeの平均メモリー使用量は約1,675MBから約1,146MBまで減り、パーセンテージで示すと1.22%から0.77%になる。Microsoftは「メモリー使用量は平均で32%、CPU使用率は平均で37%」低減されるという。

  • スリープに移行したタブは他のタブより暗い状態になる

スリープへの移行タイミングは、5分・15分・30分・1時間・2時間・3時間・6時間・12時間から選択し、任意のWebサイトはワイルドカードを用いて、スリープへの移行を抑制できる。SaaSのメーラーやチャットなど、メッセージ到着を見落としたくないWebサイトを登録するといいだろう。

本機能が威力を発揮するのは、主にノートPCや2in1 PCをバッテリー駆動するときだ。PCのリソース処理がバッテリー残量に影響し、駆動時間の延長につながることが期待できる。ただ、在宅など安定した電源でPCを動かせる環境では、実装メモリー容量が多ければ、Edgeのスリープタブ機能は不要だろう。

スリープタブ機能がCanaryチャネルに公開された2020年9月から試用してきた筆者としては、PCのリソースを消費し続けるアプリを改善する姿勢を評価したい。例えばGoogle Chromeのようなメモリーイーターのアプリは(最新版では改善されたらしいが……)、低スペックなPCだと快適に使える幅が狭くなる(同時に開くタブ数など)。Microsoft EdgeがPCの負荷を軽くする改善を重ねているのは歓迎だ。

なお、Edgeのスリープタブ機能は、イントラネットのWebページを表示しているとき、動画配信サイトで動画を再生中のとき、オンライン会議に参加しているときなど、いくつかの条件では無効になる。詳しくはFAQサイトを確認してほしい。