シャープは12月4日、新映像符号化規格であるVersatile Video Coding(VVC)に準拠した「8K対応リアルタイムVVCデコーダー」を開発したと明らかにした。なお、開発は世界初だという。

映像符号化規格は、品質低下を最小限に抑えながら映像データの容量を圧縮し、保存や伝送などを行いやすくすることを目的とした規格。

DVD・地上デジタル放送に利用されているMPEG-2やブルーレイに採用されているAVC、4K Ultra HDブルーレイ・8K放送で利用されているHEVCなど、映像メディアの発展とともに規格が開発されてきた。

  • 映像符号化規格 発展の歴史

    映像符号化規格 発展の歴史

最新規格であり、同社も標準化に取り組んだVVCはHEVCの約2分の1にデータを圧縮できることから、高画質でデータ量の大きい8K映像や360度映像などへの活用が期待されており、現在は各社が実用化に向けて開発に取り組んでいる。

今回、同社が開発した8K対応リアルタイムVVCデコーダーは、VVCでエンコード(符号化)された8K映像データのデコード(復号)に対応したソフトウェア。映像再生ソフトウェアや解析機器などと組み合わせることで、VVC対応の8K映像処理専用LSIを持たない機器でもVVCで圧縮した8K映像の表示や解析などを可能としている。

また、同社独自の高速復号処理によりリアルタイムでデコードするため、高精細な8K映像のなめらかな再生や操作を実現。同社は、VVCの実用化に向けた他社との共同開発、映像評価・解析用途向け機器(コーデックアナライザー)、ソフトウェアの販売などのソリューション提供を多角的に展開し、「8K+5Gエコシステム」の実現に取り組む。