ブラザー販売といえば一般的な家庭用ミシンはもちろん、業務用のミシンや刺繍ミシンまで幅広く取りそろえています。ハンドメイド好きにとっては信頼性の高いミシンとして人気のブラザーですが、そんなブラザーがなんと希望小売価格が税抜き200万円という家庭用刺しゅうミシン「LUMINAIRE XP1」(ルミナイアー XP1)を発表しました。
発売は2021年1月下旬ですが、一体どこが普通のミシンと違うのか? 一足早く体験してきました。
縫い上がりを正確にシミュレーションして失敗知らず!
ルミナイアー XP1が他のミシンと決定的に異なっているのが、本体にカメラとプロジェクターを搭載しているところです。なんとこのミシン、縫い目や刺繍のデザインを生地に直接投影し、縫い目や刺繍が布のどこに配置されるか、どのように縫われるのかを正確にシミュレーションすることができます。縫ってしまってからの「失敗した!」がなくなるのはかなり嬉しいポイントです。
この投射機能がいちばん力を発揮しそうだと感じたのが刺繍時。刺繍ミシンは専用の刺繍枠に布を張って布に刺繍をしますが、気づかないうちに布が斜めに張られてしまうこともあります。プロジェクター機能があれば「刺繍がはじまってから布が歪んでいたことに気がついた!」という失敗も防げます。
カメラを使ってでさまざまな問題を解決
ちなみに、ルミナイアー XP1では刺繍が歪んでいた場合に正しく補正する方法は2つあります。ひとつは、投射映像をみながら液晶画面で角度を変更する方法。角度は0.1度単位で調整できるうえ、調整結果が布の上でチェックできるので補正も簡単です。
もうひとつの補正方法が、内蔵カメラを使った方法です。これは、標準付属する専用シールを、刺繍したい位置の中央にペタッと貼るだけ。カメラがシールの位置から自動的に刺繍する位置と角度を調整してくれるというものです。これはたしかにカメラ内蔵だからこその機能ですね!
カメラを使った便利機能にはボタン穴の検出機能もあります。専用のアダプターにボタンをセットすることで、なんとボタンにあわせた最適な大きさのボタンホールを縫ってくれるのです。
もうひとつのカメラ内蔵ならではの機能が、線画のスキャン機能。なんと、自分で描いたイラストなどを、特別なソフトウェアなどなしに手軽に本体に取り込むことができます。ただし、この機能は線画や単純なイラストなどを想定しているため、写真などの複雑な階調の取り込みは難しいそうです。
でっかいのには意味がある! 業務用でもなかなかない刺繍エリアの広さ
ここまではルミナイアー XP1ならではのプロジェクターとカメラについて説明しましたが、じつはルミナイアー XP1で注目して欲しいポイントのひとつが刺繍エリアの広さ。
ルミナイアー XP1は4つの大きさの刺しゅう枠が付属しますが、なんと一番大きな刺しゅう枠は40.8×27.2cm。これは家庭用刺繍ミシンとしてはダントツの大きさなうえ、業務用刺繍ミシンでもなかなかない大きさだといいます。
プロジェクターとカメラ内蔵のミシンということで、最初は「そんなもの本当に必要なの?」と思っていましたが、実際に使ってみると両機能ともに非常に便利。縫製前に縫い上がりがチェックできるシミュレーション機能や、カメラを使ったボタンホールの自動調整機能などは、むしろ初心者にも欲しい機能だと感じます。
また、40.8×27.2cmという広い刺繍エリアが利用できるのは家庭用刺繍ミシンではルミナイアー XP1だけ。とはいえ、200万円というこの値段……なかなか気軽に購入するというわけにはいきませんが、この広いエリアのためだけにルミナイアー XP1が欲しいと思うユーザーは多いかもしれません。