イギリス政府は11月30日(英国時間)、「Roadmap to remove high risk vendors from telecoms network 」において、現在進めている5Gネットワークの整備において、リスクの高いベンダー機器を排除するためのロードマップを発表した。このロードマップによると、通信プロバイダーによるHuawei機器の使用を停止する一方で、日本の電機メーカーであるNECと共同で5G Open RANの実証プロジェクトを進めていくという。通信インフラ事業の海外展開を強化したいNECにとっては大きな商機となる。

  • Roadmap to remove high risk vendors from telecoms network - GOV.UK

    Roadmap to remove high risk vendors from telecoms network - GOV.UK

イギリス政府は2020年7月、2021年以降は5Gネットワークへの新たなHuawei機器の設置を停止し、さらに2027年までにすべてのHuawei機器を排除する方針を発表している。今回発表されたロードマップにはその内容が反映されたもので、2021年9月末からHuawei製の5G機器の新規設置を停止することに加えて、代替手段としてネットワーク設備の調達を多様化していく戦略が盛り込まれた。

その柱のひとつが5G Open RANを活用した実証プロジェクト「NeutrORAN」になる。NECはイギリスにおいて2020年11月にOpen RANの事業開発拠点を設立しており、このNeutrORANにも参加する。イギリス政府の発表によると、NeutrORANでは早ければ2021年中にも国内での5G Open RANのテスト稼働を開始する計画だという。

多様化の戦略としては、ネットワークのセキュリティと相互運用性を向上させる方法うぃ研究する国立研究所の設立や、Open RANのための業界向けの試験施設となるSmartRAN Open Network Innovation Centre(SONIC)への資金提供などが挙げられている。

欧米を中心とするHuawei排除の流れは、他のネットワークベンダーにとっては大きな好機となる。NECにとっては、NeutrORANの実績を、5G事業のグローバル展開への足掛かりにできるかが焦点となるだろう。